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2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
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ラテール創作小説 第1部 です。


今回は思いっきりネタバレ込みでやってまいりますので、気をつけてくださいね。

お読みいただく場合、つづきへどうぞ





ラテール
ジエンディア サイドストーリー
         ~メイリーナ~

『第3話、ナ・ムーウェンを探して』

[プルトン神殿]

プルトン神殿とはベロス山林地帯とエリアス都市から行ける古代遺跡であり、
今はモンスターの巣窟と化していた。

メイリーナは神殿に足を踏み入れ、先を急ぐ

『神殿は今やモンスターの巣窟になってるけど、さほど凶暴なモンスターはいないから、
経験も兼ねて一人で登っておいで。私は奥の<赤竜の巣>の前まで行っておくからね』

アラサはそう言っていた。

2階層にやってくると祭壇にイリスの石塔が建っていた。
メイリーナは石塔の前で目を閉じ、耳をすましたが、特にイリスの足取りに関わること
ではなかったため、そのまま石塔を後にする。

途中ポックル、ポポグル、ゼリーキューブなどが襲ってきたが、アラサの言っていた通り、
さほど恐ろしいモンスターではなかった。

4階層にたどり着いたメイリーナの前をゴブリンの集団が道を塞ぐ。

(これはなんとかしないと先に進めないわね。)

メイリーナは剣を取り、正眼に構えた。
一体のゴブリンが手に持つ鈍器を大きく振り上げ殴りかかってきた。

(動作が大きい・・・)

メイリーナはゴブリンが鈍器を振り下ろすより先に懐に踏み込み、剣の柄で
ゴブリンの腹を突く。

前のめりになるゴブリンの体を剣でなぎ払いつつ、脇を駆け抜けた。
その後を残りのゴブリンが追ってくる。

(アラサさんも待たせてるし、このまま振り切ろう。)

素早い足取りで駆ける少女にゴブリンは追いつけず、やがて視界から消えていった。

 

「やぁ、お疲れ様。道中どうだった?」

「何度かモンスターが襲ってきましたが、特に問題はありませんでした。」

「やるね。まあこれからが本番だ、気を引き締めていこうか」

「はい、よろしくお願いします。」

「中は炎のモンスターが多く生息する。崖下は溶岩が湧き出てるから足を
踏み外さないように気をつけて。
私がモンスターを倒しながら進むから、しっかりついておいで!」

そういってアラサは巣の中に入っていった。
メイリーナは慌ててそれに続く。


[赤竜の巣内部]

(熱い・・・)

火竜の巣の内部は目もくらむような暑さだった。
炎を操る様々なモンスターが襲ってきたが、前を行くアラサが踊るような動きで
ニ本の剣を巧みに操り、敵を切り払いつつ駆け抜けていく。

(すごい、戦いながらなのについていくのがやっとだ・・・)

モンスターの残骸を尻目に必死に後を追う。

さらに進んでいくと猿の顔に蛇の尻尾を持つモンスター「鵺」が道を塞いだ。

「こいつは私がやる。メイちゃんは下がってな。」

そう言ってアラサは鵺の懐に飛び込む。
それに応じて鵺は炎のブレスを吐き出したが、アラサは横っ飛びでそれをかわしつつ、
鵺の背後へ回りこむ。

鵺は慌てて振り返ったが・・・

「遅い!!」

次の瞬間恐るべきスピードで二本の剣を振るう。
チン、と剣を鞘に収めると、鵺はバラバラになって、その場に崩れ落ちた。

その様子をメイリーナは呆然と見ていた。

「お待たせ。ん?どうしたのかな?」

「いや、呆気にとられてしまって・・・。すごいですね」

「んー、私なんてまだまださ。それよりほら、こいつが面白いもの
持ってたよ。」

そういって赤色の服を差し出す。

「これは『フレイムウェア』だね。炎から身を守る効果があるんだ。
メイちゃん着ておくといいよ。」

「ありがとうございます。」

メイリーナは服を受け取り袖を通す。

「それじゃこの先には赤竜<インヴォーグ>がいるはずさ、準備はいいかい?」

メイリーナは首を縦に振る。

「それじゃいこう!」

二人はその場を駆け出した。

 

奥には真紅の身体に大きな翼を持つ翼竜、インヴォーグが羽ばたいていた。

「あいつがインヴォーグだ。私が先に行くからメイちゃんは様子を見ておくといい。
それじゃいくよ!」

アラサは竜に向かって駆け出す。
メイリーナもそれに続いた。

進入者に気づいた赤竜は二人を敵と認識し、左右の翼を大きく振るった。
巻き起こる暴風が、メイリーナの足を止める。

「くっ、気を抜くと吹き飛ばされそう・・・」

しかしアラサは物ともせず、インヴォーグにせまり、駆け抜けざま剣を振るう。
赤竜の身体から鮮血が迸る。

『ギャアァァァ!』

インヴォーグは大きく叫び、さらに奥に飛び去っていった。

「逃がすかっ!」

すかさずアラサは後を追う。
一足遅れで、メイリーナもそれに続いた。

 

その先は大きな空洞になっており、足場の下は溶岩で埋め尽くされていた。
前面でアラサは辺りを見回している。

「くそ、見失った。逃げ足の速い・・・」

そういって剣を鞘に収める。
しかし次の瞬間、メイリーナの背後からインヴォーグが突如姿を現した。

「しまっ・・・」

メイリーナは振り返りざまインヴォーグの吐いた炎のブレスを全身に浴びる。

「あああ!」

その熱さと痛みにメイリーナはもんどりうって倒れる。
着込んでいた『フレイムウェア』のおかげで致命傷にはいたらなかったものの
意識が朦朧とする。

そこにさらに大きくを息を吸い込み、赤竜は炎のブレス、第2射を放った。
アラサは駆け出していたが、距離が離れていたため、間に合わない。

(やられる・・・!)

インヴォーグの放った炎のブレスが少女の身体を包み込む。

それを見てアラサはがっくりと膝をついた。
炎がおさまったのを見てとり、恐る恐る目を向ける。

しかし少女は無事だった。倒れこんだ体とその前の地面に突き刺さる一本の剣。
赤竜のブレスはその剣によって受け止められていたのだ。

(これは、ハルさんにもらった・・・)

炭となって崩れ落ちる鞘の中から刀身が露になる。
それは炎をうねらせながら赤い光を放ち、メイリーナの前にたたずんでいた。

メイリーナはフラつきながらも身体を起こす。
眼前の剣を手に取ろうとした瞬間、以前出会った青年の言葉を思い出す。

『君自身が悪しき存在ならその剣は君自身をも焼き尽くしてしまうかもしれない…』

一瞬躊躇ったが、少女は覚悟を決め、その剣の柄を手にとり、地面から抜き放つ。
すると炎は収まり、代わりに赤い輝きが辺りを照らす。

「あれは・・・」

『グアアア!!』

さらにインヴォーグはブレスの第3射をメイリーナに向けて放つ。
対してメイリーナは眼前に剣を構え、それを受け止める。

『ガアア!?』

「無駄よ!あなたのブレスは通用しないわ!」

赤竜は一瞬戸惑いの表情を見せる。

『グアアアァァァ!』

しかしその後、大きく翼をはためかせながら、メイリーナ目掛けて突進してきた。
それに対してメイリーナは赤竜剣を斜に構え、腰を落とす。

インヴォーグの牙が迫ってくる中、メイリーナは軸足を中心に体を回転させ、
その勢いと共に渾身の力を込めてなぎ払った。

「ドラゴンテール!!」

ザシュッ!!

メイリーナは必殺の剣技を放った後、片膝をつく。
放たれた剣技によってインヴォーグの尻尾がちぎれとんだ。

「今だ!」

素早くかけより、アラサは左右の剣を一度ずつ振るう。
その結果、インヴォーグから左右の翼が切って落とされた。

『ギャアァァァァ・・・』

バランスを失ったインヴォーグはそのまま溶岩に向けて落下していった。


アラサはそのまま少女の下へ駆け寄る。

「メイちゃん、大丈夫?」

「ええ、なんとか。この剣と服のおかげです」

少女は身体を起こす。

「その剣は赤竜剣かい?どうしてまたそんなものを・・・」

メイリーナはハルの名前を口に出しかけたが、約束を思い出し、口をつぐむ。

「・・・旅の前、ある人にもらったんです。こんな力があるとは知りませんでしたが」

「その剣は持つ物を炎から守る力もあるんだ。なんにしても無事でよかったよ!」

そういってメイリーナの肩を叩くアラサ。その衝撃で、少女は前のめりによろつく。

「おっと、大丈夫かい?」

「はい。・・・あれは?」

そういって指差した方向にさらに奥に続く道を発見する。

「通路だね。あそこから奥にいけるみたいだ。しかしまずは傷の手当てをしないと
・・・よし、これで大丈夫。」

「ありがとうございます。・・・?」

アラサは背後を鋭く睨んでいる。

「おいでなすったか。」

二人の後ろからモンスターの群れが姿を現す。

「メイちゃんはあそこの通路から先にいってな。私はこいつらを片付けたら
追いかけるから。」

そういって立ち上がり、剣を構える。
一瞬躊躇ったが、アラサの実力は既に知っていたため、素直に従い、道に向けて走る。

「気をつけてください。」

「要らぬお世話さ!」

アラサはモンスターの群れに向かって走り出した。

 

奥には岩場に腰を降ろす少年と、その場を浮遊する少女がいた。

「わわ、ムーウェン、誰かきたよ。」

「どうしたんだいジョエ?」

「あの凶悪な顔、きっとインヴォーグの手下に違いないよ!待ってて、私が
やっつけるから」

「ちょっと、ジョエ・・・」

「観念しなさい!ムーウェンには手出しさせないんだから!」

(ムーウェン?この人がイリスと一緒に旅に出たという・・・)

「覚悟ー!」

ジョエは呪文の詠唱を始める。

「ちょっとまって、私は・・・」

「問答無用!」

ジョエの手元から光の龍が迸った。しかし、メイリーナはその攻撃をなんなくかわした。

「あーん、避けないでよ」

さらに詠唱を続けるジョエ。

「だから私はインヴォーグの手下じゃ・・・」

「だから問答無用!!」

「やれやれ、何の騒ぎだい?」

後続のモンスターを片付けたアラサがその場にやってくる。

「あなたは・・・、ジョエ待って、どうやら敵じゃないみたいだ。」

ムーウェンはメイリーナとアラサに深々と頭を下げた。

「ジョエが大変失礼なことをしました。
僕を守ろうとしてやったことなんです。どうか許してあげてください。」

「あなたがムーウェンさんですか、イリスと一緒に旅をしていたという。」

「はい、そうです。あなたは・・・?」

メイリーナはイリスを探してここにやってきたことを告げた。

「そうですか。確かに僕は以前イリスと旅をしていました。しかし今は彼女が
どこにいるのかわかりません」

「どういうことですか?」

「まあ色々とありまして・・・、ちょっとそれは僕の口からは言い辛いですね。」

そういって少年は口ごもる。

「いずれにしてもここには彼女はいません。そしてその行方も今の僕には
わかりません。

龍京に以前僕達に協力してくれたシャオという女性がいます。彼女なら
何か知っているかもしれません。これを・・・」

メイリーナはムーウェンから巻物を受け取った。

「これをシャオさんに見せれば協力してもらえると思います。」

「わかりました。行ってみることにします。」

「では僕達はベロスに向かいますのでここで。また何かありましたら、
ベロスを尋ねてみてください」

そういって少年と少女は去っていった。

「じゃあ私達もエリアスに戻ろうか、トウルやキドが待ってるだろうしね。」

「はい」

 

[エリアス]
[酒場]

「お帰り、無事で何よりだよ。」

「姉さん、どうだった?」

町に戻った二人をキドとトウルの二人が出迎えた。

「ただいま。まあ積もる話はおいといて、メイちゃんを休ませないと・・・、マスター!」

「はいはい?」

「この子を休ませるのに部屋を借りたいんだがいいかい?」

「かまいませんよ、こちらでどうぞ。」

酒場のマスターは部屋へ案内してくれ、アラサがそれに付き添う。

「無事に帰ってきたとはいえ、ずいぶん疲れてるだろう、まずはゆっくりお休み。」

そういってアラサは電気を消し、扉を閉めた。

「これがベッド・・・。」

メイリーナは初めてのベッドの感触に戸惑いながらも、すぐに眠りに落ちていった。



第4話へはこちらから
http://harubsb.blog.shinobi.jp/Entry/89/

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3日連続更新です。我ながら頑張るなぁ。俺(ぁ

さて、今回はブレーダーあらささんのほぼ一人舞台です。
実際のゲーム中でもこんな感じでしたので、嘘偽りはありませんがね。

油断してブレスで一回逝ってしまいましたし(´・ω・`)


さて、今回初の戦闘シーンが入っているわけですが、書いていて困ったことがあります。
それはゲームと現実のギャップ、です。

素手で殴りあうならともかく、剣で切りあう場合、ゲーム中のようにザクザク切りあうのはリアリティがありません。
人間同士が切りあった場合、まともに当たれば、一太刀でほぼ絶命するわけですし。

そのへんの矛盾を出さないようにしつつ、戦闘の臨場感を出すのは非常に難しいと感じましたね。
恐らく今後も街→ダンジョン(戦闘)→街・・・と繰り返し物語が進みそうです。

書く気があるうちに勢いでいきたいものですね。まあこれでストックがなくなってしまうので、さすがに間があきそうですが、がんばろっと。

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