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コアの戦いとその決着です。
ほぼ戦闘オンリーなので、ネタばれもクソもありませんが、ご覧いただく方は続きをどうぞ。
ラテール
ジエンディア サイドストーリー
~メイリーナ~
『第12話、コアの野望 ~後編~』
[クトガの心臓]
メイリーナは宙に浮いたまま、剣を中段に構え、翼を大きく広げた。
翼の根元から淡い光を撒き散らしながら、黒い軌跡となって、空を駆ける。
コアはそれを迎撃しようとするがそのスピードについていくことができない。
『バカな、なんというスピードだ・・・しかし』
(また・・・)
メイリーナはすれ違い様に無数の剣撃を叩き込んだ。
しかしその傷はいずれもすぐに塞がってしまう。
(本当に不死身だとでもいうの・・・?)
コアは周囲に無数の雷を落とすが、メイリーナはいずれも素早くかわす。
『おのれ、チョコマカと・・・!』
(この力も、長くは続かない。消耗戦を続けていては不利・・・こうなれば一か八か)
メイリーナは剣をコアに向けて突きつけた状態で構える。
コアは拾い上げた杖を天に向けて高く掲げた。
(コアが攻撃に転じる瞬間が勝負・・・!)
コアが再度雷を落とす。メイリーナのその瞬間に剣を突き出した状態のまま、
一直線にコアに向けて突き進む。
「はああぁぁ!」
一瞬にしてコアとの距離をゼロにしたメイリーナはそのまま勢いよく、剣を突き出す。
ドシュッ!!
メイリーナの剣は、コアの左胸・・・心臓をつらぬいていた。
『がはっ・・・!』
コアは前のめりになり、メイリーナにもたれかかる。
「終わりよ・・」
メイリーナは深々と突き刺さった剣を抜こうと柄を引っ張る。
「な・・・抜けない!!」
その瞬間、コアが顔を上げた。
『バカめ、かかったな!貴様に地獄の雷をたっぷりと味合わせてやろう!!』
コアは振り上げた腕を勢いよく振り下ろした。
メイリーナは慌てて剣から腕を放して、距離をとろうしたが間に合わない。
ドォン!
落雷はメイリーナを直撃する。
『トドメだ!燃え尽きるがいい!!』
コアはさらに左手をメイリーナに向け、炎の波を撃ちはなった。
「きゃあああぁぁぁぁ!!!」
炎の直撃を受けたメイリーナは、そのまま墜落する。
落下した場所にはにはスケさんとカクさんが倒れこんでいた。
『終わりだ。3人まとめて葬ってやろう!!』
コアは再度杖を持った右手を天に向かって掲げる。
『死ねぃ!!』
「くっ!」
カクさんは咄嗟に持っていた盾を空に向かって投げる。
直後投げた盾に落雷し、3人は難を逃れた。
『目覚めていたとは、しぶとい奴らだ。』
「メイちゃん聞くんだ。僕が奴の体に組み付いたとき、感触が妙だった。
恐らくあの体は奴の本体じゃない・・!」
「恐らくあの体は仮初めのもの。アガシュラ・・・の目を・・・!」
『雷はお気に召さないか、ならば焼き尽くしてやろう・・・』
コアの両手に炎が灯る。
スケさんは右手をコアに向けた。
「・・・地龍牙!」
スケさんの右手から一匹の龍が迸る。
コアはそれを蛇の杖で受け止めた。
『無駄なあがきだ。』
「メイちゃんこれを・・・」
カクさんは懐から一本の剣を取り出し、メイリーナに手渡した。
「立つんだ。君の力はまだこんなもんじゃないはず」
メイリーナはカクさんから受け取った剣を地面に突き刺し、つっかえ棒にして
体を起こした。
震える膝を右手で懸命に押さえ込みながら、必死に立ち上がる。
『ほう。しかし最早貴様に反撃する力など残っていまい。』
(確かに・・・これが最後の一太刀・・・)
カクさんから受け取った剣の切っ先をコアに向けて、腰を落とす。
地面を蹴り、一直線にコアに向かって走る。
しかしその動きに先ほどまでのスピードはない。
コアは蛇の杖を逆手に持ち、振り上げた。
『串刺しにしてやろう!』
そのままメイリーナに向かって振り下ろそうとした瞬間、体に刺さっていた赤龍剣より、
炎が立ち上る。
『なに・・・!ぐああ!』
苦しむコアに接近したメイリーナは最後の力を振り絞り、剣を突き出す。
「はあぁ・・・デスブロー!!」
ガキィン!!
メイリーナの突き出した剣先はコアの額の宝石を穿ち、そこで止まっていた。
やがて額の宝石にヒビが入り、メイリーナの突き出した剣と共に崩れていく。
『ぐあああぁぁぁぁ!貴様・・・、私の目を・・・!!』
コアは額を抑え体をくの字に折る。
『ぐうううぅぅぅ・・!!』
額の宝石と共に、コアの体が崩れ落ちる。
『ま、魔王さま・・・!』
完全に崩れ去ったコアの体は灰に変わり、その場には赤龍剣だけが残った。
メイリーナもその場に倒れ込む。
(だめ、もう動けない・・・)
コアの消滅に合わせて、<クトガの心臓>も崩れはじめる。
天井が崩れ落ち、その破片が落石となってあたりに降り注いだ。
メイリーナの耳元で誰かがささやく。
「やれやれ、ほんまに無茶するお嬢ちゃんやで・・・。」
月の光ギルドのメンバーはメイリーナが町を抜け出したことに気づいて後を追って
きていたのだ。
フリアータはメイリーナの元に駆け寄り、様子を伺う。
「なんとか無事やな・・・。ナタリアさん!スケさとカクさは?」
ナタリアと呼ばれた少女は声を返す。
「こっちも大丈夫。気を失ってるだけみたい」
そういいながら、ナタリアはスケさんとカクさんを抱きかかえ、懐からイリスの欠片を
取り出した。
こなたは足元に落ちている、赤龍剣を拾い上げて、叫ぶ。
「ここは危険です、急いで脱出しましょう!」
3人は同時に持っていたイリスの欠片を砕いた。
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[ベス]
(ここは・・・?)
メイリーナはうっすらを目を開ける。
「おっ、嬢ちゃん気がついたか?」
「コア・・・アガシュラは・・・?」
「アガシュラは消滅した。ここはベスだよ。」
少女の問いにウィレムが答える。
「スケさんとカクさんは・・・?」
「二人も大丈夫。戻ってきて少し休んだら元気になって、今は外にいるよ。」
恐らく二人の治療をしてくれたであろう、デミウルゴスがやってくる。
「傷は治しておいたんだけど・・・。とても疲れていたみたいね。
3日も眠り続けていたわ。」
(3日も・・・)
「そうだ、ティニアさんは?」
「あなた達が戻ってきた後すぐに目覚めたわ。特にあなたの容態を気にしていた
ようだけど、昨日一足先にエリアスに戻るって。」
「そうですか・・・」
「旅に出てからまともに休養もとっていなかったみたいですし、ちょうどよい機会
ですから、ゆっくり休んでいくといいですよ。」
「しかし、あんたがほんまにコアをなぁ・・・。たいしたもんやで。」
「・・・ありがとうございます」
メイリーナはベッドで仰向けになったまま、天井を見上げた。
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さらに翌日、ようやく疲労の抜けたメイリーナは皆に礼を言って、月の光ギルドを後にする。
そして現状報告のため、エリアスに向かったのだった。
[エリアス]
[王の間]
「話は聞かせてもらった。クトガ遺跡にて見事アガシュラを討ち果たしたそうだな。
各地のモンスターもまだ完全にいなくなったわけではないようだが、なあに、
そのうち落ち着くだろう
盛大に祝いたいところだが、旅から戻ってきたばかりであるし、まずは体を休めるが
よかろう。」
「ありがとうございます。・・・失礼します」
メイリーナは王宮を後にする。
[SFSギルドルーム]
そこにはジョッシュ、ティニア、アラサなど、SFSのメンバーが集まっていた。
「お帰り!結局龍京以降、僕達は何もお手伝いできなかったね」
「レビ卿探索の任を受けて、ゴシックルームにてパンドラと戦ったりとか、
まあ色々こちらも大変だったんだよ」
「心配かけたみたいね。ひとまず私は大丈夫、体もすっかり回復したから。」
ところであなたはこれからどうするの?」
「そうですね・・・落ち着いたらまた、イリスの足取りを追ってみようと思います。
結局クトガ遺跡の後、どこに行ったのかわからないままですし。」
「そう・・・。私たちはもう一つ、王宮から頼まれている仕事があってね。
しばらくエリアスに滞在することになりそうよ」
「どんな仕事ですか?」
「それは・・・」
ティニアは言葉に詰まる。言ってよいものかどうか迷っているようだ。
アラサはため息をつき、口をはさむ。
「いずれわかることだ、最後に会ったのはメイちゃんだっていうし・・・
話を聞いたほうがいいんじゃないか?」
「それはどういう・・・」
「僕達が今王宮から受けている仕事というのはね・・・」
そして、ジョッシュの口から信じられない言葉が告げられる。
「・・・『罪人<ハル>を探し出し、その身を捕らえよ』だそうだ」
メイリーナはその言葉の意味をしばらく理解できずにいた。
↓第1部最終話へはこちらから
http://harubsb.blog.shinobi.jp/Entry/100/
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ふぅ、疲れましたが、とりあえずここまでで、ラテールのシナリオに沿っていく流れに
ついては終了です;;
実際のゲーム内ではここから先はまだ未実装部分となりますが、一体どうなって
いくんでしょうねぇ。
ひとまずこの妄想ストーリー内では、ここから管理人の考えたオリジナルの話に
突入します。
どんどん話がぶっとんでいくので、スッキリと終わりたい場合、読むのはここまでで
止めたほうがいいかもしれません(ぁ
ひとまず次回は本編はおいといて、もう一つの『ハルの物語』をはさもうと思っています。
その中で大体のラストは見えてくるはず(?)
きっともう少しで終わりますので、もう少しの間、この稚拙な文章にお付き合いいただければ幸いです。