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ラテール創作小説 第1部 です。


知人のサイトの妄想にあやかって、ラテールを舞台にした物語を書いてみたいなーと思い、
新キャラ「メイリーナ」を主人公に創作小説を考えてみました。

ラテールの舞台での物語を主軸に、「メイリーナ」の冒険内容を事実とフィクションを交え、構成しています。

今回は大丈夫ですが、ネタばれ要素満開でお届けしますので、ネタバレ厳禁orこういうのダメな人は見ないほうがよいでしょう(ぁ

それでは興味がある方のみ、続きをどうぞ






ラテール
ジエンディア サイドストーリー
         ~メイリーナ~

『第1話、少女の旅立ち』



物語の舞台はジエンディア大陸。


ベロス山林にて一人の少女がひっそりと暮らしていた。
少女の名は「メイリーナ」。白い肌に白い髪のこの少女は今年15歳になる。

彼女に両親はいない。物心ついた頃からこの山林で暮らしていた。
育ての親はいる。しかしその養父も病のため、死の床についていた。

「よく聞くんだ、メイリーナ。お前は私の本当の娘ではない・・・」

「え、それは一体・・・」

メイリーナは養父に問いかけようとしたが、養父はかまわず続ける。

「お前は普通の人間にはない特別な力を持っている。その力のため、これから辛い思いも
することもあるだろう。
強く生きろ。お前の道はお前自身が探すんだ・・・」

その言葉を最後に彼は息を引き取った。

「お父さん!」

少女メイリーナは養父の亡骸を強く抱きしめ、涙を流した。


[ベロス都市]

数日後、彼女はジエンディアの町、ベロスへ来ていた。
山林でしか暮らしてこなかった彼女は、外の世界を知りたくなったからだ。

その少女の前に一人の少年が現れる。

「君は誰?」

「私はメイリーナ。この町には初めてやってきたの。」

「へぇ、山林から来たんだ。」

少年は少女の格好を周囲から見渡した後、メイリーナの手をとり引っ張った。

「僕の家においでよ、すぐ近くなんだ!」

少年に連れられ、数分ほど歩いた後、一軒家に辿りつく。
お世辞にも綺麗とは言えなかったが、それでもメイリーナが住んでいた小屋とは
比べ物にならなかった。

家につくと少年の母親が話しかけてくる。

「お友達かい?」

「うん、今日知り合ったばかりなのだけどね。」

少年はそういって笑みを浮かべた。

「ここが僕の部屋だよ。」

少年は部屋に入ると片隅にある椅子に腰を下ろす。

「適当に座ってよ!」

「それじゃ・・・」

メイリーナは戸惑いながらも、部屋の隅に腰を下ろした。

「それにしても山から一人でやってくるなんてすごいな。
僕も一度行ってみたいとは思ってるんだけど、最近モンスター出るようになって
危ないからって、山林には行かせてくれないんだ。どんなところなの?」

「それは・・・」

メイリーナは山中での暮らしを少年に説明した。

「へぇ~、僕も一度行ってみたいな。あ、でも・・・」

少年は考え込む。

「どうせお父さんもお母さんも反対するだろうな。そうだ!裏口からこっそり出よう。」

メイリーナを引きつれ部屋を出た少年は周りに人がいないのを確認してから
そそくさと裏口に回る。

「ここから外に出られるよ。」

二人は揃って家を出た。

「それじゃお母さんに見つからないうちに行こう!」

二人は足早にベロス都市を抜け、山林地帯にさしかかる。
木が青々と茂る中、進んでいった。

[ベロス山林]

山中に差し掛かった二人の耳に木々のさざめきが聞こえる。

「静かなところだね。」

「うん、私はここで父さんと一緒に狩りして暮らしていたの。」

メイリーナはそう言いながら、身軽に駆けていく。
少年は必死に後を追った。

「ちょっと待って・・・」

その時少年の近くの茂みからガサガサと音が聞こえたかと思うと何者かの影が
飛び出した。

「うわぁ!」

茂みより突如飛び出したのは一匹のウルフだった。

不意をつかれた少年はウルフに押し倒される。
幼い頃から養父に剣技を仕込まれていたメイリーナではあったが、
咄嗟のことであったため、反応が遅れた。

ウルフの牙が少年の喉下に迫る。

(だめ、間に合わない…!)

その時、メイリーナの全身から閃光が迸る。

(え、これは・・・)

放たれた閃光は、ウルフを少年もろとも跳ね飛ばす。
倒れたまま動かない少年の下にメイリーナは駆け寄った。

(よかった。ひとまず気を失っているだけみたい。でも・・・)

メイリーナは辺りを見回した。
辺りはオレンジ色に染まり、夕日が地に沈もうとしていた。

(このまま放っておくこともできないよね)

メイリーナは少年を背負い、ベロスの町に向かって歩き出した。
やっとの思いで町に連れ戻ったその時にはすっかり夜になってしまっていた。

コンコン

「はい、どなたかしら?」

声と共に家の扉が開く。
先ほど会った少年の母親が顔を出した。

「あら、あなたは・・・」

「この子をお願いします。」

メイリーナは母親に少年を託し、その場を立ち去った。

「ちょっと・・・」

少年の母親は声をかけようとしたが、メイリーナは振り返らず、走り去る。

(この力は何?私は一体何者なの…?)

彼女は自分の中の得体の知れない力に恐怖していた。
そして初めてできた友達を自分の手で傷つけてしまったことに罪悪感を抱く。

森林に入るとメイリーナは走るのをやめて、奥に向かって歩みだした。
夜の森林の怖さを知っている普段の彼女ならこんな失態は犯さなかったであろう。

しかし今のメイリーナは茫然自失としていたため、気づくことができなかった。
闇の中から彼女を射抜く複数の鋭い目に・・・。

「ワーウルフ!?」

メイリーナははっと我に返り、咄嗟に剣を手にとったが、それより一瞬早く
一体のワーウルフが少女の懐に飛びかかった。

その時衝撃でメイリーナは剣を弾き飛ばされる。

「しまった!」

それと同時に周囲から襲いかかる複数のワーウルフ。
迫りくる鋭い牙に、メイリーナはぎゅっと目を閉じた。

ヒュン!!

その時周囲に一筋の風が巻き起こる。
それと同時に銀閃が周囲を切り裂く。その直後、飛び掛ってきたワーウルフは崩れ落ちた。

何が起こったから理解できない少女の前で、さらに風は荒れ狂う。
数秒後にはワーウルフ達は全て切り伏せられていた。

暗くてはっきりとは見えなかったが、黒いターバンの下から覗く蒼い髪。
一人の青年が少女の目の前に立っていた。

「子供…?どうして真夜中の山中にこんな少女が一人で?」

互いに状況が把握できなかったが、少女は抑えていた感情を止めることができず、
彼の胸元に飛び込み、泣き声をあげた。

青年は戸惑ったが、その様子をただ見つめることしかできなかった。

「落ち着いたかい?」

ようやく落ち着き始めた少女に青年は問う。
少女は我に返り、青年から離れた。

「はい、すみませんでした。」

「かまわないさ。しかし、どうしてこんな夜中に山道を一人で?」

「それは・・・」

目の前の青年にメイリーナは、ぽつりぽつりと事の顛末を説明する。
本来、出会ったばかりの人間に話す内容ではなかったのだろうが、今の彼女には
色々と思考する力は失われていた。

「それは大変な目にあったね。しかし・・・」

その青年は俯いて少し考え込んだ後、顔を上げた。

「ひとまずいつまでもここにいるわけにもいかないな。この近くに旅人の休憩所がある
からそこまで行こう。」

 

[ベロス山林 旅人の休憩所]

メイリーナを連れ、休憩所までやってきた青年は彼女を座らせ、持っていた水筒を手渡す。

「ほら、これでも飲んで一息つくといい。」

「ありがとうございます。」

メイリーナは受け取った水筒の蓋を開け、口をつける。

「しかし弱ったな。」

青年はその場に腰を下ろし、天を仰ぐ。

「一緒に連れていってあげたいのは山々だけど、今は少し立て込んでいてね。
申し訳ないのだけど、連れていってあげることはできないんだ。」

青年は軽くため息をついてから少女の元に目を移す。

「しかしこのまま放っておくこともできない。そこで、だ」

そう言って青年は肩から鞘を外し、少女に手渡した。

「さっき見たところ、少し剣に覚えがあるようだね。今はまだ扱えないかもしれないが、
今後君の助けになるはずだ。持っていくといい。」

メイリーナは鞘を受け取り、引き抜いてみる。
その剣は刀身は赤く輝かせている。

「その剣は『赤竜剣』、悪しき者を焼き払う力がある。」

改めて少女を見据えた少年の目に白い髪が移る。
そのとき青年は何か思いついたように、言葉をつむぎ始めた。

「かつてイリスという少女も不思議な力を持っていたと聞く。彼女は旅の末、
その力を持って仲間と共に魔王を倒し、その姿を消した。」

青年はその場から立ち上がる。

「君が何者なのかは俺にはわからない。
そして辛いと思うが、今の俺は君に何もしてあげることができない。」

そして少女の肩を叩いた。

「イリスを探すんだ!彼女を探し出すことができれば、君が何者なのか、
そしてこれからどうすればいいかわかるかもしれない。」

そこまで言って青年は少女の手元に目を落とす。

「その剣をどのようにするかは君の自由だが、もし君自身が悪しき存在で、
その心が闇に染まるとき、その剣は君自身をも焼き尽くしてしまうかもしれない。
持っていくならこのことは心に留めておいてほしい。」

メイリーナは鞘に収めた『赤龍剣』を無言で見つめる。

「俺は無理強いはしない。君の歩む道は君自身が決めるんだ。」

「私の歩む道・・・」

その時少女の脳裏に死の間際の養父の言葉がよぎる…。

「・・・」

メイリーナはしばし考えた後、顔をあげ、小さく、そして強く頷いた。
青年はその少女の様子を見て、薄く微笑む。

「よし、じゃあせめて冒険者らしい格好をしないとな、ちょっと待ってな。」

そういって青年は少女の下を離れた。

「お待たせ!」

少女の元に戻ってきた青年は腕に抱えている服と食料をメイリーナに手渡した。

「後これも持っていくといい」

そういって少しばかりのお金を手渡した。

「こんなに色々・・・」

メイリーナは申し訳なさそうに青年の顔を見上げる。

「子供のくせに気を使うもんじゃない。それに旅立つ前にそれくらいの準備は
しておかないとな」

「・・・ありがとうございます。」

メイリーナは受け取った上着を羽織り、カバンに食料を詰め込んだ。

「君が旅を続けていればまたどこかで会うこともあるさ。…あ、そうだ。」

青年は何か思い出したように声をあげる。

「申し訳ないけれど、ここで俺に会ったことは黙っていてくれないかな?
それと、君の力に関しても今日みたいにうかつに話さないほうがいい。」

「どうしてですか?」

「人は自分にない力を持つ人間に対して特別な感情を抱く生き物だ。
それが尊敬のうちはまだいい。だけどそれはいずれ嫉妬や恐れに変わる。
疎まれてしまうことさえもあるんだ。」

青年は少し悲しそうに目を伏せた。

「さてと、日も上がったし、俺はそろそろ行くよ。」

気づくと辺りはすっかり朝になっていた。

「イリスの足どりを追うならここから少し東に行ったところにイリスの石塔と
呼ばれる石碑が建っている。
そこでイリスが残したメッセージを聞くことができるんだ。」

「イリスの石塔・・・」

「俺の名は『ハル』。君が旅を続けていればまた会うこともあるだろう。
それじゃ達者でな!」

蒼髪の青年ハルはそう言い残しその場から走り去っていった。
一人残された少女はその場にあった切り株に背を預ける

疲労が一気襲ってきたのか、不意に意識が遠くなる。
メイリーナはそのまましばし眠りについた。

数刻後目を覚ました少女は辺りを見回した。

「寝ちゃったのか・・・」
 
急いで少女は旅支度を整える。

(旅の先に何が待っているかはわからないけれど、私がこれから進むべき道を
探すために・・・行こう!)

自分が何者なのか、そして自分自身の存在意義が何かを探すため、少女はイリスを
探す旅に出ることを決心した。




第2話へはこちらから
http://harubsb.blog.shinobi.jp/Entry/87/
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勢いで書き上げた第1話です。
はっきりいって「前置き」的内容です。

今後続くかどうかはわかりませんが、不幸にもゲーム内で管理人と知り合った方々を登場人物としてどんどん取り上げていく予定です。

今後はカテゴリー「創作物」内にまとめていきますね。
それではではっ

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