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とりあえず日曜は書いておこうってことで、あげておきます。
お読みいただく場合はつづきをどうぞ。
ラテール
ジエンディアサイドストーリー
~BSB~
「第7話、過去の記憶」
[エルパ]
[酒場]
「あいつが、BSBが記憶喪失?一体どういうことなんですか?」
「教えてあげてもいいけど、そうね・・・」
デスマーチはチラリと扉に目をやった後、マリーミアに向き直る。
「今はちょっとまずいわね。また後で話しましょう。」
デスマーチはマリーミアにそう伝えた後、扉の鍵を開けた。
直後BSBが部屋に飛び込んでくる。
「なんだよ、着替えてなんかねえじゃねえか。」
「ごめんなさい。でも女には色々あるのよ。」
「で、話は聞かせてくれるのか?」
「ええ、そのことなんだけど、私もご一緒しようと思って。それで今日は休んで、
明日出発しようと思うのだけど、どうかしら?」
「ああ、俺はかまわねえがよ。」
BSBはマリーミアに目をやる。
「え、ええ、私も構わないわ。」
マリーミアは少し言葉を濁す。
「決まりね。実はあなた達が出かけている間に宿の手配をしておいたの。」
「なんだよ、準備がいいな。それじゃ早速行こうぜ。」
「それは残念ね、部屋はBSB、あなたの分だけよ。
こんなかわいい子をあなたと同じ宿に泊めるなんてとんでもない話だし。
この子は私と一緒させる。それでいいかしら?」
「ええ、是非そうさせていただけると。」
マリーミアは嬉々としてそう答えた。
「守備範囲外っていっただろうが。お前ら、全く信用してねえな・・・。」
その傍らでBSBがぼやく。
「それじゃまた明日ね。」
「デスマーチ。」
BSBは見送ろうとするデスマーチに声かける。
「何かしら?」
「宿の部屋で待ってるからな、なるべく早くくるんだぜ。」
その言葉を聞いたデスマーチは表情を変えず、腰の拳銃に手をかける。
「あら、鉛玉がお好きならいくらでもプレゼントしてあげるけど?」
「じょ、冗談だよ、冗談。それじゃまた明日な。」
BSBは逃げるようにその場を去った。
BSBの姿が見えなくなったことを確認してから、デスマーチは再度口を開く。
「さて、それじゃ話の続きでもさせていただこうかしら。」
「・・・はい。」
デスマーチは椅子を引いて、腰をかける。
マリーミアもそれにならった。
「その日の天気はひどい雨模様だった。依頼を終えた私は帰り道の途中、
初めて彼と出会ったわ。」
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(全くひどい雨ね。)
仕事を終えたデスマーチはぼやきながら帰り道を急ぐ。
(あれは・・・?)
ふと前を呆然と天を見上げる上体で、一人の男が立ちつくしている。
「あなた、こんな雨の中で何してるの?風邪をひくわよ。」
しかしその男はデスマーチの呼びかけには答えない。
「いいからこちらにきなさい。」
デスマーチは男を屋根の下まで連れていった。
「ひとまずこれで顔でも拭きなさいな。」
デスマーチは手元のカバンからタオルを取り出し男に渡した。
「あなた名前は?」
「・・・名前?」
男はつぶやくように返答を返す。
「この雨の中、あんなところに一人立ち尽くして、何をしてたの?」
「俺は・・・くっ!」
男は突然頭を抑えて、その場に蹲る。
「ちょっと大丈夫?」
「わからない。気がついたら俺はあの場に立っていたんだ・・・。」
「あなた、まさか記憶が・・・?」
「わからない、ただひどく胸が痛むんだ・・・」
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「結局彼が何者なのかはわからなかったけれど、そのまま放っておくのも
危険だと思ったの。
気が紛れるかと思って、私は掃除屋の仕事を促した。驚いたことに彼の
身体能力は飛びぬけていたわ。銃の扱いにも長けていて、その後私達は
コンビを組んで仕事をするようになった。どう?参考になったかしら?」
「・・・一体何があったんでしょうね。」
「それは私にもわからないわ。ただあなたも知っているかと思うけど、
今や彼の名はこの業界には知れ渡っていて、それゆえ、彼を狙う輩も多い。」
だからあなたみたいな一般人が彼と一緒に行動しているなんてとんでもない話よ。
悪いことは言わないから姉探しはあなた一人でやったほうがいいわ。」
「・・・少し考えてみます。」
マリーミアはその場から立ち上がり、フラフラと歩きだした。
「部屋は2階よ。ひとまず今日はゆっくり休みなさいな。」
マリーミアは2階へと上がっていった。
(ショックが大きかったかしら?でもそれがあなたのためよ・・・)
デスマーチはそのまま酒場を出た。
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[宿屋]
暗がりの中、ベッドに横たわっていたBSBは寝息を立てている。
そんな彼の元に物音ひとつ立てずに接近する人影が一つ。
その人物は腰から拳銃を抜き、眠っているBSBに向かって構える。
その状態のまま一時の静寂があたりを包む。
「・・・どうした。撃たないのか?」
BSBは背を向けたままその人物に声かける。
「やはり気づいていたのね。」
その時、窓から差し込む月明かりが人影を照らす。
そこには銃を構えた状態で静止するデスマーチの姿があった。
「・・・いつから気づいていたの?」
「最初からかな。お前が俺に依頼の話を持ちかけたときからおかしいとは思っていた。
いくら苦手とは言え、自分の依頼を人任せにするなんてお前の性格からして
ありえないと思ったからな。
だが撃たれる前にワケを教えてくれないか。お前の身に一体何があった?」
「・・・つい先日、私の仲間が何者かに捕らわれたわ。そして仲間の命を助けたければ
言うことを聞くように私に持ちかけてきた。それが・・・」
「俺を殺せ、というわけか。話を持ちかけてきた奴は何者だ?」
「わからないわ。でもずっと監視されているのは間違いない。」
BSBはため息をついて片手をあげた。
「わかったよ。好きにするがいいさ。」
しかしデスマーチは自嘲めいた笑みを浮かべて銃を降ろした。
「ふふ、私にもあなたを殺すことなんてできないわ。
でも一つだけ皆を助ける方法がある・・・」
そのままデスマーチは銃口を自分のコメカミに当てた。
「私が死ねば、人質をとる意味もなくなるわ・・・」
ダアン!!
その場に乾いた銃声がこだまする。
「うっ・・・」
デスマーチは手元の銃をその場に落下させた。
BSBは銃を構えた姿勢で上体を起こしている。
そしてその銃口からは小さな硝煙が上がっていた。
「バカヤロウ、なんでも思いつめるのはお前の悪い癖だぜ。」
BSBはベッドから起き上がり、デスマーチに歩みよる。
そしてデスマーチに向かってそっとささやいた。
「俺に考えがある。いいか、今から俺がいうことをよく聞くんだ。」
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(そうよね、たまたま出合っただけだし、どうせあいつから見たら私なんてただの
子供なんだろうし・・・)
マリーミアは部屋に戻らず宿の外に出て、一人港の近辺を歩いていた。
防波堤に波が打ち寄せる音が辺りに響く。
マリーミアの桃色の髪が潮風にふかれて揺れた。
ザッ
その時背後から覆面をした3人の男達が現れる。
(誰!?)
マリーミアは咄嗟に振り向いた。
その瞬間男達は腰から短刀を抜き、マリーミアに向かって襲い掛かってきた。
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「本気なの?」
「ああ、俺はいつでも本気だぜ?」
BSBの提案にデスマーチは考えるしぐさを見せる。
「それにしてもあなたさっき、本当に私に撃たれるつもりだったの?」
「・・・そうだな、お前に撃たれるそれもいいかと思ったんだよ。」
ズキン
そのときBSBの頭に軽い頭痛が走る。
『あなたに撃たれるなら私は・・・』
そしてBSBの脳裏に浮かぶ女性の声。
(なんだ?以前にもこんなことがあった・・・?)
BSBは左手で額を抑えて軽くよろめく。
「どうしたの?大丈夫?」
「・・・ああ、なんでもない。」
BSBは大丈夫というようにデスマーチに向かって軽く手を振る。
「それじゃ俺は姿を消す。・・・うまくやれよ。」
「ええ、あなたを信じるわ。」
「任せておきなって。俺はこう見えても女の期待は裏切らない男だ、ぜ!」
そういい残してBSBは闇の中に消えていった。
ふいー、時間がなくなってくるとオンゲーってきついんですよね。
しかも、Lvも中々あがらないし・・・(汗
しかし恐らくもうすぐ大型アプデも来るし、ギルドに新規メンバーさんも加入したし、
是非頑張りたいところですなー。
このお話をとりあえずキリがいいところくらいまでは頑張ろうと思ってます。
それでは今回はこのへんで。