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 ラテール創作小説 Revolution
 
エピローグです。
お読みいただく場合はつづきをどうぞ。
突如現れた綾乃の存在に気づいたルディスがうめく。

「ばかな、どうして君が!閉じ込めておいたはずだ!!」
 
「その子はワイが助けてあげたんや。」
 
「あんたは・・・?」

美月夜はその場に現れた女性に向かって尋ねる。
 
「ワイはフリアータ。ここへはこの事件の黒幕であるその嬢ちゃんをとっちめに
きたんやけどな。どうやらもう終わったみたいやな。」
 
「勝手なことを・・・!」
 
呻くルディスとは対象的に美月夜は何やら呆然としている。
 
「ちょ、待ってくれよ。嬢ちゃん、って・・・」
 
「なんだ、お前、気づいてなかったのかよ。」
 
そこへ左腕に包帯をグルグル巻きにし、デスマーチに肩を借りながら、
BSBがやってくる。
 
「そいつは女、だ。どんなにうまく隠しても俺の目はごまかせねえ。」
 
「え・・・えええ!!」
 
美月夜はその瞬間、疲労や全身の痛みを忘れたかのように驚いた目で
ルディスのほうを振り向いた。
 
「な、なんだよ。そんなに驚くことじゃないだろ。
それに僕は、破門にされたときに女であることを捨てたんだ。」
 
「綾乃。ひょっとしてお前は・・・」
 
「ええ、私は知ってたわ。だって、小さい頃一緒によく遊んだもの。」
 
「なんだよ・・・知らなかったのはひょっとして俺だけか・・・?」
 
うな垂れる美月夜とは対照にルディスは呻く。
 
「・・・どうやら、ここまでかな。」
 
ルディスは周囲を見渡し、あきらめたようにその場に倒れ込んだ。
 
「とてもじゃないけどこの状態じゃ逃げ切れないしね。・・・好きにしなよ。」
 
「はぁ?このお嬢ちゃんは何か勘違いしてるんじゃねえか?」
 
BSBはルディスの元に歩みより、右手で抱き起こした。
 
「こんなとこさっさとおさらばするんだよ。もちろんお前も一緒に、な。」
 
「ほっておいてくれ!僕は同情なんて真っ平ごめんだ!!」
 
ルディスは咄嗟にBSBの手を払いのけた。
BSBはやれやれといった表情を見せる。
 
そんなルディスを見て、美月夜は声かける。
 
「ルディス、ばあちゃんはな。お前を俺に助けるようにってこの槍をくれたんだぜ。」
 
「な・・・でたらめを言うな!」
 
「どうやって知ったのか俺もわかんねえけど、どうやらばあちゃんはお前がここに
飛ばされたのを知ってたみたいだな。

だからこの世界にゆかりのあるこの槍を俺に託して、ここに来るように促したんだ。
たぶん綾乃が巻き込まれたのは計算外だったんだろうけど。」
 
「う・・・うそだ!!そんなこと・・・」
 
「ところがこれが嘘じゃないんだな。」
 
そこへBSBが口を挟む。
 
「何故ならお前のばあちゃんにその事を教えたのはこの俺様だからだ。」
 
この言葉には美月夜も驚きを隠せず、この場にいる皆もそうだったのだろう。
一斉にBSBのほうへ目を向ける。
 
「ちょ、それはどういうことだよ!!」
 
「いやぁ、お前に初めて会ったとき、正直驚いたぜ。運命的なものを感じたね。」
 
BSBはヘラヘラ笑いながら、言葉を続ける。
 
「何を隠そう、その槍をくれてやったのは俺だからな。正確にはお前の
母ちゃんに、だけどよ。」
 
「それって・・・」
 
「そこでお前さんに質問だ。お前の母ちゃんの名前を言ってみな。」
 
「名前・・・?七瀬 真理だけど・・・」
 
「真理・・・マリ・・・まさか!!」
 
その名前を聞いた瞬間、デスマーチには何やら覚えがあったのだろう。
驚いた顔でBSBを見る。
 
「ちょっと、BSB。もしかして・・・」
 
「あったりー。マリーだよ。」
 
「え、ええええ!!」
 
これにはデスマーチも驚きが隠せなかったようだ。
しかし美月夜を含め、他の皆は頭に疑問符を浮かべている。
 
「でもあの子ってあなたより年下なんじゃなかったっけ・・・とても
こんな大きな子供がいるようには・・・」
 
「ああ、そのことなんだけどよ。どうやらあっちの世界とこっちの世界で
時間の経過に差があるみたいなんだよな。」
 
「時間の経過って・・・」
 
「あいつもしばらく記憶を失ってたみたいなんだけどよ。所詮は俺の場合
ティーエからの借り物の力だったから、しばらくしたらあっさり解けちまった
みたいなんだな、これが。」
 
「そしたらまたこっちの世界にやってきて文句いうもんだからよ。俺はそっちに
いけないから、お守り代わりにその槍をくれてやったんだ。
いやー、なだめるのに苦労したぜ。」
 
「私はそんなこと一言も聞いた覚えはないわよ・・・」
 
「当たり前だろ。言ってねえもん。」
 
BSBはデスマーチにあっけらかんと言い放つ。
デスマーチはその答えにがっくりとうな垂れる。
 
「・・・なんやわからんけど、そろそろ脱出せんとやばいんと違う?」
 
フリアータが思い出したように周囲に噴出す溶岩を指さした。
 
「おお、そうだな。とりあえず話は後にしようぜ!」
 
BSBはルディスを抱えて懐より取り出した何かの破片を取り出し、砕いた。
そしてフリアータや、デスマーチもそれに続いた。
 
-------------------------------------------------------------------------
 
<数日後>
 
傷ついたBSBを医者に引き渡した後、フリアータはエリアスを去っていった。
少し寄りたい場所があるんだそうだ。
 
特に引き止める理由もなかったデスマーチは彼女を見送ることにした。
 
(今回のことで一番傷ついたのはひょっとすると彼女かもしれないわね。)
 
デスマーチは女の感でそう感じていた。
 
(以前の私もあんな感じだったのよね、きっと。忘れることはできないけれど、
振り切らなきゃいけないよね。それが残されたものの務めだと思うから・・・)
 
デスマーチはそう想いを馳せながら天を仰いだ。
 
 
[エリアス]
[宿屋内]
 
「いやー、回復魔法は偉大だね。俺様の腕もほら、この通りよ。」
 
BSBはデスマーチに向けて自分の腕をグルグル回してみせた。
 
「・・・やっぱりこいつごと撃ちぬくべきだったかしら。」
 
「おいおい、そいつはひどい言われようだな。」
 
「そんなことはどうでもいいから、あなたもちょっとは空気読みなさいよ。」
 
その場にはBSBとデスマーチのほかに、美月夜、ルディス、綾乃の三人がいた。
特にルディスは複雑な表情を浮かべている。
 
「・・・とにかく、僕のことはもう放っておいてくれないか?」
 
「そういうわけにはいかないわよ。まだ帰る方法も見つかってないんだし。」
 
「僕には帰るべき場所なんてもうないしね。別に帰りたいとも思わないよ。」
 
「ルディス。それに関してはお前が決めることだから俺達は何もいえないけど。
じいちゃんが死ぬ間際に遺言として俺に教えてくれた言葉をそのまま伝えるよ。」
 
「遺言・・・?」

美月夜は祖父の遺言を語り始めた。
 
『お前の父の心を砕いてしまったのはワシのせいだ。とても償いきれる罪では
ないが、せめてお前だけは幸せにしてやりたいと思う。
 
あの後、心配になったワシは必死でお前達の行方を探させた。
しかし、行方をつきとめたときには既にお前の父は死に、お前は行方不明に
なっていた。
 
ワシはもう長くはないだろうが、ワシの意思は娘に、そして孫へと
伝えたいと思う。
 
お前はお前の道を探し、どうか幸せになって欲しいと切に願う。』
 
「なんだよ、そんなの、今さら・・・」
 
美月夜の口から祖父の意思を聞かされたルディスは美月夜から顔を背ける。
しかしその表情は怒っているというよりは、どうしていいかわからず戸惑って
いるようにも見えた。
 
「あ、そういえば。」
 
突然、綾乃が何か思い立ったように手を叩く。
 
「ルナ君のお父さんとルディスのお父さんって兄弟なのよね?
そうするとルナ君とルディスって従兄妹ってこと?」
 
「まあ・・・そうなるのかな。」
 
「へぇ~、でもルナ君のお父さんとルナ君って血のつながりないのよね?」
 
「ちょ、なんでお前がそんなこと知ってるんだよ!!」
 
「おじさんがお酒に酔ってたときに口を滑らせたのを聞いたの。
なんでもおじさんがおばさんを一方的に好きになって、ルナ君もろとも引き取ったんだって。
おばさんもルナ君も武術のセンスがあるからっておじいさんは喜んでたそうだけど。」
 
「あのクソオヤジ・・・」
 
「ふと思ったのよ。じゃあルナ君の本当のお父さんって誰なんだろう?って」
 
「まあ、そういわれればそうなんだけどさ。実は俺も母さんに聞いたことがあるんだ。」
 
「ふーん、なんて言ってたの?」
 
「いつも答えは一緒さ。『世の中には知らないほうがいいこともある』って。」
 
「何よそれ!」
 
美月夜の答えに綾乃は笑った。
 
しかしデスマーチは何やらげっそりとした表情でBSBの方へ目を向ける。
 
「ん、なんだ?俺に何か用か?」
 
BSBは素知らぬ顔で返答を返した。
 
「なんでも・・・ないわ。」
 
その様子を見てデスマーチは深くため息をついた。
 
(しかしこんなもんを一緒に寄こすとはな。)
 
BSBは皆にわからないように一枚の紙切れを取り出す。
 
『あなたがこの手紙を見ているということはあなたの元に美月夜が
訪れているのでしょう。あなたには黙っていたけれど、その子は私の子供です。
正確には私達の、ですが。
 
私にとってもう一人の子供とも言える大切な子がいなくなってしまいました。
本当は私が助けに行きたいのだけれど、年齢を重ねるにつれて体も徐々に
動かなくなってきて、この状態ではあなたの足も引っ張りかねないし、立場上も
今は美月夜のほうが適任でしょう。
 
できればあなたには何も知らない様子であの子のことを助けてあげてほしいの。
お願いね。』
 
(ったく、こんなもん槍の柄に隠しておきやがって。)
 
BSBはその手紙を両手でビリビリと破り、ゴミ箱に放った。
 
(まあいいか。これでまた冥土のみやげ話が増えるってもんさ。なあ、ティーエ・・・)
 
BSBはふと頭上を見上げた。
気のせいかもしれないが、彼の思い浮かべる少女は笑っているように感じられた。
 
---------------------------------------------------------------------------
 
[アオイチ]
 
黒月城の片隅に二つの墓石が並んでいる。
その前に少女は座り、目を閉じ、手を合わせた。
 
(ほんまにアホやなぁ、二人とも。)
 
しばらく目を閉じた後、フリアータはその場から立ち上がる。
 
(まあでも、意外と今は二人仲良くやってるのかもしらんな。)
 
そしてフリアータは両手を天に掲げ、大きく伸びをする。
 
「ワイもまだまだ頑張らんといかんし、いつかまた会えるやろ。」
 
そしてフリアータはその場から立ち去った。
 
(そのときまで一旦バイバイや、ケラさ。)
 
少女が立ち去ったその場所には二人を見送るように、かがり火がいつまでも
燃え続けていた。
 
 


<あとがきがわりに>

こんな感じでこのお話は終了となります。
なんだか煮え切らない最後でごめんなさい、かつ、取り扱いキャラたちをぞんざいに
扱っています。本当に申し訳ない。

クレームがあればいくらでもお伺いしますので、どうか許していただきたい・・・。

以前にも挙げたとおり、このブログの更新も停止する予定です。
しかし中途半端が嫌だったので、なんとかここまでを書き上げた次第です。

今までお付き合いいただいた方々、急な別れになってしまい、本当にすみません。

ゲーム内での復帰の予定はありませんが、ひょっとしたらこのブログでのなんらかの
更新はあるかもしれません。

勝手ですが、挨拶とさせていただきます。


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