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2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
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ラテール創作小説 ~コラボ編~

※これは使咲よう、HA_RU、マホすての3人による自由創作系のコラボレーションノベルです。

全てのピースを揃える場合はリンク先より各ブログへ飛び、カテゴリ「D.O.G」をそれぞれ
お読みください。

メイリーナ編 piece2 「時の扉」




(ここは一体どこなんだろう?)

メイリーナが目を覚ました場所は膨大な広さを誇る神殿の一角であった。
通路がいたる場所に蜘蛛の巣のように張り巡らされており、いくつもの分かれ道ができている。

(ううん・・・とにかく進むしかないよね。)

メイリーナは己のカンに頼りながら通路を進んでいった。
するとやがて一本道の先にメイリーナの身の丈の3倍はある大きな扉の前に行き着いた。

(こんな大きな扉、開くのかしら?)

メイリーナはダメもとで両手を扉に押しあてる。
すると力を入れる前に扉は自然に開いていった。

扉の奥は大広間になっていたが、入ってきた扉以外に目を引くものは見当たらなかった。
やむをえず元来た道を引き返そうとしたメイリーナだったが、突然入ってきた扉が自動的に
閉じられる。

(閉じ込められた!?)

メイリーナは慌てて辺りを見渡した。
すると広間の中央から光の柱が立ち上り、その中心地点から手に大きな斧を携えた、
半人半牛の怪物が現れた。

「これは、ミノタウロス!?どうしてモンスターがこんなところに・・・」

驚くメイリーナをよそに突如現れたミノタウロスは大きく雄叫びをあげながら、メイリーナを
視認すると手元の斧を大きく振り上げ、襲いかかってきた。

ドゥン!!

咄嗟に飛び退き振り下ろされた斧を回避したメイリーナは素早く体勢を整える。

「やるしかないみたいね・・・!」

メイリーナはその場で軽く息を吐きながら精神を集中させる。
するとメイリーナの右手に黒く小さな重力場が発生する。

「はっ!」

メイリーナは勢いよく右手を突き出し、ミノタウロスに向けて重力弾を撃ち出した。

ドン!!

メイリーナの放った一撃はミノタウロスに直撃した。
しかし一瞬動きは止まったものの、ミノタウロスは意にも介さず、再度襲い掛かってくる。

「この程度じゃだめか。もっと強力な一撃を叩き込まないと・・・!」

メイリーナは襲い来るミノタウロスの一撃を回避しながら、距離をとった。

「我は願う・・・全てを断ち切る金色の刃を今こそこの手に!!」

メイリーナは自信の意識を強く集中し、両手を合わせるように身体の前に出す。
するとメイリーナの手から金色に輝く光の刃が出現した。

メイリーナはそのまま腰を落としながら、両手を身体の斜め後ろに回し、ミノタウロスを待ち構える。

ミノタウロスはメイリーナが動きを止めたのを見ると、再度雄叫びをあげながら、襲いかかってきた。

「はあぁぁ!!」

メイリーナはミノタウロスの接近に合わせて斜め下から金色の刃を勢いよく振り上げた。

ブォン!!

勢いよく振り上げられた刃はミノタウロスの身体を斜めに切り裂いた。
たまらずミノタウロスはその場に崩れ落ちる。

「ふぅ・・・」

メイリーナが大きくその場で息をつくと、手元の刃も同時に消失した。

(それにしてもいきなりモンスターが出てくるなんて・・・)

メイリーナは真っ二つとなったミノタウロスに向かって歩み寄ったが、突如ミノタウロスの身体は
その場から消失した。

それと同時入ってきた扉が再度開き、さらに部屋の奥にもう一つ扉が出現する。

(さて、進むべきか戻るべきか・・・)

メイリーナは注意を払いながら新たに出現した扉に歩み寄る。
するとメイリーナのポケットから淡い光が漏れ出す。

(これは・・・ポケットのカードが光ってる?)

メイリーナはポケットからカードを取り出すと確かにカードは光輝いている。
まるで現れた扉に共鳴しているかのように見えた。

(この扉と何か関係があるのかしら・・・)

メイリーナはなんとなく手元のカードを扉に向けてかざしてみた。
するとカードと扉が光に包まれ、メイリーナはその場から姿を消した。


-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

暗闇の中、一人の少年が地面に座りこみながら顔を伏せていた。

少年の周りからひそひそとささやき声が聞こえてくる。

「あいつは悪魔の子だ。あいつと一緒にいると不幸になるらしいぜ。」

「知ってる?あの子と一緒に遊んでいた子が何もない場所で大怪我したんだって。」

「両親も先日原因不明の病気でなくなったんですって。やっぱりあの子が原因なのかしら・・・」

少年は耳を塞いだが、周囲のささやく声は彼の意思とは無関係に頭に響き渡る。

「違う・・・!僕のせいじゃない・・・」

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

(ここは・・・?)

メイリーナは暗闇の中に迷い込んでいた。
その場から2~3歩ほど歩いてみると突如周囲は明るくなり、どこかの街の路地裏のような場所
に移り変わった。

そしてメイリーナが目を向けた先には年は7~8歳くらいだろうか、
一人の少年が顔を伏せ、その場に座り込んでいる。

その少年は顔を伏せたまま嗚咽をもらしていた。

「一体どうしたの?何をそんなに悲しんでいるの?」

メイリーナは少年に対して優しく声をかけた。
しかし少年は顔をあげずにそのままぽつりぽつりとつぶやく。

「・・・僕なんかいないほうがいいって。」

「まあ、誰がそんなことを?」

「周りのみんな。仲がよかった友達も、誰も僕に近寄ろうともしなくなっちゃったんだ。」

メイリーナは少年の傍にいきしゃがみこんだ。

「ねえ君、お父さんやお母さんは?」

「ちょっと前に病気で死んじゃった・・・」

その言葉を聞いたメイリーナは自分のうかつな発言を嘆いた。
次にかける言葉が出てこず、メイリーナは黙り込む。

すると少年はふと顔をあげた。

「・・・ねえ、僕なんていないほうがいいの?生きてちゃいけないの?」

そう言って涙をためた目でメイリーナを見る。
メイリーナは無言のまま、少年を強く抱きしめた。

「・・・そんなことはないわ。生きることを許されない人間なんていないのよ。」

そのときメイリーナはふと思った。

(ああ、この子は以前の私と同じなんだ。自分自身に強く絶望し、その存在すら否定
しようとしている・・・)

メイリーナはしばらくそのままにしていたが、少年の嗚咽が止まったのを見てとり、顔をあげる。

「少しは落ち着いた?」

「・・・うん、ありがとう。お姉ちゃんはだれ?」

「私は・・・特に怪しいものじゃないけれど、言っても信じてもらえないかな・・・」

「ううん、お姉ちゃんはきっと悪い人じゃないよ。」

「ありがとう。それにしても何があったの?」

「わかんない。僕と一緒にいるとみんな不幸になっちゃうんだ。
突然怪我したり、病気になったり・・・。そのうちみんな僕から離れていっちゃった・・・」

(ううん、特にどこも変わったところのない普通の子に見えるけど・・・)

メイリーナは目の前の少年をまじまじと見つめたが、別段変わった様子は見つからない。

しかしそのとき、メイリーナの全身に得体のしれぬ悪寒が走った。

(今のは一体・・・!?)

ふと少年の影に目を落とすと暗い影の中に光る二つの目。

(これは・・・!!)

メイリーナは咄嗟に右足で少年の影を踏み抜く。
すると少年の影から黒い瘴気が立ち上り、徐々に形を成していく。

「うわぁ!」

人の形を象ったその瘴気は大きく腕を振るった。その衝撃で少年は大きくはじきとばされた。

「っ!」

メイリーナは一瞬少年の方に目をやったが、すぐに瘴気に向かって構えなおす。

「これは・・・モンスター!?まさかこいつが原因?」

やがて人の半身のような形を作った瘴気はメイリーナを取り囲むように接近してきた。
メイリーナはそれに合わせて右手を突き出したが、手ごたえはない。

「く・・・!物理的な攻撃じゃだめか。」

メイリーナはその場に倒れこみながら地面を転がり、難を逃れる。
そしてそのまま素早く立ち上がった。

「我は願う・・・全ての邪を払う光よ、閃光となりて、辺りを照らせ!!」

メイリーナは両手を勢いよく天に向かってかざした。
するとメイリーナを中心に眩い光が辺りを包んでいく。

『ウオォォォ・・・』

光につつまれていく瘴気の怪物は断末魔の声をあげてその場から消え去っていった。
その様子を少年はぽかーんとした顔で眺めている。

「大丈夫?」

メイリーナは少年に対し手を差し伸べた。
少年はメイリーナの手をとったが、少年の頭から血がしたたり落ちる。

「血が・・・」

「え?言われてみればなんだか頭が痛むけど、たぶんかすり傷だから大丈夫だよ。」

「一応何かで止血しておかないと・・・そうだ。」

メイリーナは何か思い出したように、鞄を探った。そして、以前ある青年からもらった紫の
ターバンを取り出し、少年の頭に巻きつけてあげた。

「とりあえずこれでよし、っと」

「ありがとう、ところでさっきの怪物はなんだったの?」

「原因はわからないけど、あなたの影にモンスターが張り付いていたみたい。
これでもう恐らく、あなたの周りに不幸は訪れないと思うわ。」

「うん、そのことは嬉しいよ、でもお父さんもお母さんも戻ってこないよね・・・」

少年は悲しそうに目を伏せる。

「辛いのは私もわかる。だけどあなたは二人の分まで強くいきなくちゃいけない。
それがきっと二人のためになると思うの。」

「そうだよね・・・。うん、僕は頑張って強くなる。そしていつかきっとお姉ちゃんの力
になれるくらいに強くなってみせるよ。」

「うん、期待してるからね。」

「さようなら!」

少年はメイリーナに手を振って、その場から駆けていった。
途中、何かを思い出したように立ち止まり、こちらへ向き直る。

「僕は『ハル』っていうんだ。お姉ちゃん、またね!!」

「うん・・・って、ええ!?」

少年が名乗った名前にメイリーナは驚きを隠せなかった。
困惑するメイリーナをよそに、辺りは光に包まれる。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

気がつくとメイリーナは元いた広間に戻っていた。

(ひょっとしてこのことが原因であの子は・・・)

メイリーナの頭に一つの考えが浮かぶ。

(ああ、でも一体何がなにやら・・・頭がこんがらがってきた。)

メイリーナは頭を振ったが、そのとき突然メイリーナの元へ聞き覚えのある声が語りかけてくる。

「『時の扉』を無事攻略したようだな。」

「あなたは一体誰?何が目的なの?」

「それはおいおいわかるだろう。それでは健闘を祈る。」

その言葉を最後に不思議な声は途切れた。

「時の扉、か。まさかさっきのはハルさんの過去!?」

メイリーナは先ほど会った少年の容姿を思い出す。
思い起こせば確かに以前出会った青年の面影があった。

「・・・結局何がなんだかわからないけれど、きっと進むしかないのね。」

メイリーナは振り向くと、広間を後にした。

 

 


 




<あとがきがわりに>

結構間があきましたがこんなところでどうでしょ?

とりあえず序盤は周りの書き手の様子を見つつ、自分勝手に進めていこうと思っています。
まあそのうち登場人物同士をうまくからませていければな、と

さて、俺は2話目書いたので、あとはよろしく!と言っておこう(ぁ

それじゃ本日はこのへんで失礼w
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