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2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
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さて、超久しぶりにこっそりアップです(ぁ

今回はぞくぞく村ってことで、普通に超怖い話考えてみました。
読まれる方はそれなりに覚悟しておいてください(ぇ

 ラテール
ジエンディアサイドストーリー 番外編
              ~レイフィム~

「その2.ぞくぞく村の肝試し」



ズズズ・・・
 
クロカゲは湯飲みのお茶を啜った後、大きく息をついた。
 
「はぁー、やっぱり冬はコタツにみかんだよ、うん。」
 
バァン!!
 
その場の温和な空気をぶちやぶるように扉が勢いよく開かれ、
一人の少女が駆け込んできた。
 
「肝試しをやるわよ!」
 
そして青い髪のツインテールを揺らしながら、入ってきた少女
『レイフィム』はそう宣言した。
 
「またまた唐突だね。今度は一体なんなんだい?」
 
「いい若いもんがコタツでゴロゴロしてるなんて何考えてるのよ。
ほら、出た出た!」
 
レイフィムはクロカゲの両脇を両手で抱えて、コタツから引きずりだした。
 
「ちょ、何するんだよ!」
 
そして間髪入れずにレイフィムはこたつにすべりこむ。
 
「はあぁ・・・やっぱり冬はこたつよね・・・。」
 
「・・・言ってることとやってることが矛盾だらけだよ。」
 
「そんなことはいいの!」
 
レイフィムはこたつに両足をつっこんだまま、勢いよくテーブルを両手で叩いた。
 
「何がいいんだか、わからないけど、一応説明してもらえるかな?」
 
「まあまって。もうすぐヴァルも来るから。そのとき一緒に話しましょう。」
 
---------------------------------------------------------------------
 
「つまり、メンバーを集めてペアで肝試しをする、と?」
 
クロカゲの復唱にレイフィムはうんうんと首を縦に振った。
 
「それはいいけど、なんでいきなり肝試しなのよ?」
 
後からやってきたヴァルアースは一応理由を聞いてみた。
 
「暇だからよ!!」
 
「あ、そう・・・」
 
クロカゲはげんなりとした表情を浮かべる。
 
「それで私達はどうすればいいの?」
 
「そうね、ヴァルはメンバーを集めてちょうだい。クロカゲは脅かし役
お願いね。」
 
「えぇー。めんどくさいなぁ・・・。」
 
「それはいいんだけど、適当に集めればいいのかしら?」
 
「それはもちろん決まってるわ。いい男を集めるのよ!」
 
「なんで男なのよ・・・」
 
「決まってるじゃない!肝試しといえば、男に合法的に抱きつけるからよ!!」
 
レイフィムはそう宣言しながら右手の人差し指をビシッとヴァルアースに向けて立てる。
 
「こうストレートに言われると・・・返す言葉もないわね。」
 
ヴァルアースはその場から立ち上がると上着を羽織った。
 
「何?どっかいくわけ?」
 
「ええ、私はこれから忘年会なの。タダ酒飲めるいい機会だし、ね。
休むわけにはいかないわ。」
 
「全くヴァルはお酒好きなんだから・・・」
 
「あなたみたいなお子様にはまだ理解できないわよ。それじゃね。」
 
「ちょ、その言葉は聞きづてならないわ。待ちなさいよ!!」
 
「心配しないで、ちゃんと声はかけておいてあげるから。」
 
「僕の意思は完全無視なのか・・・」
 
----------------------------------------------------------------------
 
[ぞくぞく村]
 
「で・・・どうしてこうなるわけ?」
 
レイフィムは両肩を落とし、激しく落胆しながら、正面をチラリと見上げる。
そこにはレイフィムと同様にツインテールの少女がもう一人、おどけた様子で
こちらを見ている。
 
「えーと、ヴァルさんは言ってましたよ。レイフィムさんに男を付けると
食べられちゃうからだめだって。」
 
「ヴァルの奴、覚えてなさいよ・・・。」
 
レイフィムはまんまとしてやられたいう表情を浮かべながら歯軋りする。
 
(しかも、よりによってなんでこいつなのよ・・・)
 
レイフィムの正面にいるもう一人の少女。
名前は「風生」。レイフィムと同じくトレジャーハンターである。
 
自分と同じ様相、職業、そして相反する性格、とレイフィムは以前から
この少女のことが何かと気に入らず敵視していた。
 
しかしそれに対して風生のほうはというと、まるっきりレイフィムのことなど
意識していないようだった。
まあその態度がレイフィムにとって腹立たしい要因の一つでもあったわけだが。
 
「はーあ、やる気なくなったわ。私帰る・・・」
 
レイフィムはその場から回れ右して、とぼとぼと歩き始める。
 
「あれ?レイフィムさん。ひょっとしてお化けが怖いのですか?」
 
そのレイフィムに対して風生はそう言った。
 
ピク・・・
 
風生のその言葉にレイフィムはピタリと足を止める。
 
彼女のその発言に全く悪意はなかったのだが、レイフィムにとってはケンカを
売られているとしか思えない発言だった。
 
「・・・なんですって?」
 
レイフィムはゆっくりと顔だけ風生の方へ向ける。
その瞳は怒りの炎で燃えていた。
 
「うんうん、そうですよね~。中はお化けでいっぱいでしょうし、レイフィムさんが
怖くなって帰っちゃったことは内緒にしておきますから、大丈夫なのです。」
 
風生は全く悪意などない純粋な笑みを浮かべながらそう言った。
レイフィムにとってはこの一言がトドメだった。
 
「だ~れ~が~・・・怖がってるって!?上等よ!!」
 
レイフィムは風生が立っているそばの壁に強く手を打ち付けた。
 
「私にケンカ売るとは良い度胸ね・・・。こうなったら勝負よ!!」
 
「勝負・・・ですか?」
 
風生はレイフィムが何故怒っているのか理解できないようで、軽く首を捻る。
 
「一番奥の部屋まで行って、ここまで戻ってくるのよ。道中に現れる敵は
なぎ倒しながら、ね!そして先にここまで戻ってきたほうの勝ちよ!!」
 
「わー、面白そうですね。」
 
レイフィムの提案に風生は純粋に喜び、両手を叩く。
 
「すぐにその余裕のツラを泣き顔に変えてあげるわ・・・いくわよ!!」
 
レイフィムはそう言ってぞくぞく村の中に向けて駆け出した。
 
「あ、先に行っちゃうなんてずるいですよ。」
 
風生は軽快な足取りでレイフィムの後を追った。
 
--------------------------------------------------------------------
 
(はぁ、結局僕は何をやってるんだろう・・・)
 
暗がりの中、物陰に隠れながら少年は、深くため息をついた。
 
(まあ、彼女の我侭は今に始まったことじゃないけど、ね。)
 
納得はいかないながらも、軽く息をついて、周囲の様子を探る。
 
(ん、誰かこっちに向かって近づいてくる。)
 
何者かの足跡がはっきりと、確かにこちらに向かって近づいてくる。
 
(それじゃ仕事でもしますか。)
 
少年、クロカゲは黒いローブを頭から被り、気配がすぐ傍までくるのを確認して
その人物の前に踊りでた。
 
「う~ら~め~し~・・・」
 
「邪魔よ!!」
 
ドゲシッ!!
 
勢いよく駆けてきたレイフィムは突如目の前に現れたクロカゲを蹴り飛ばし
そのまま走っていった。
 
「ひ、ひどい・・・、しかし今のはレイフィム?・・・はぐっ!!」
 
レイフィムに蹴り飛ばされ、仰向けに倒れたクロカゲの背中に今度は
強い衝撃が走る。
 
「・・・あら?今何か踏みましたかね?」
 
駆け抜けるレイフィムのすぐ後をもう一人の少女、風生が文字通り風のように
駆け抜けていった。
 
その一撃がトドメとなり、クロカゲの意識は完全に闇の中に沈んでいった。
 
--------------------------------------------------------------------------------------------
 
「ついたぁ!!」
 
大きな鳥居をくぐりぬけたレイフィムは奥の壁にタッチした。
そして急いで、元きた道を引き返そうとする。
しかしその時・・・
 
「・・・待て、私を無視してそのまま行く気か?」
 
黒い衣装に黒い帽子を目深に被った男が突如現れ、レイフィムの前に立ちふさがる。
 
「悪いけど、今はあんたなんかに構ってる暇はないのよ!」
 
「我は冥府使者。お前のような生気あふれる人間を黄泉の国に連れいくものなり。」
 
全身に黒いオーラをまとった男はそう名乗った。
 
(ああ、もう、こんなところで足止め食ってたら追いつかれちゃうじゃない・・・!)
 
焦るレイフィムの元に足跡が近づいてくる。
 
「到着~。レイフィムさん、追いついたのですよ。」
 
(あちゃー、最悪・・・)
 
レイフィムは右手を額に当て、うなだれる。
 
「ふむ、お仲間到着、といったところか。」
 
冥府使者はあくまで冷静である。
 
「誰が仲間よ!こいつは・・・」
 
レイフィムは言いかけてはっとなる。
どうやら何かよからぬことを思いついたようで、にんまりと邪悪な笑みを浮かべる。
 
(うん、我ながら名案だわ!これよ!!)
 
そして勢いよく人差し指を冥府使者につきつけ、こう言った。
 
「そうよ!あんたなんて、私達二人の手にかかれば、ちょちょいのちょいなんだから!」
 
「ほう、威勢がいいな。だが、そううまくいくかな?」
 
そしてレイフィムは風生の元に駆け寄り、そっと囁く。
 
(いい?私が合図にしたらあなたはあいつの元に飛び込むのよ。
そしたら私はすぐさま援護するわ。)
 
風生はレイフィムのその提案に対し、縦に首を振り、小さく「了解なのです。」
と囁いた。
 
レイフィムと風生はすり足で冥府使者との距離を徐々に狭めていく。
 
「今よ!!」
 
レイフィムの合図ときっかけに、風生は冥府使者に向かって一気に距離を
詰める。
その後ろからレイフィムは冥府使者に向かって走る。
 
(ふむ、前の少女をオトリにして、多角攻撃をしかけるつもりだな。子供騙し
な戦法を・・・)
 
冥府使者は冷静に状況を読み取り、攻撃に備えて構えをとった。
しかし、レイフィムはその予想を大きく裏切る行動に出る。
 
レイフィムは右足を大きく後ろに振り上げ、その反動を利用して、思い切り
前へ突き出した。
 
「風生アタック!!!」
 
「にょ!?」
 
なんとレイフィムは前を走る風生の背中を思い切り蹴飛ばし、冥府使者
共々蹴倒した。
 
この行動には冥府使者も虚をつかれたようで、そのまま風生と共に地面に
倒される。
 
「くっ、なんと卑怯な・・・」
 
冥府使者は頭を振りながら、頭上を見上げた。
するとそこには小悪魔のような表情を浮かべたレイフィムが立っており、こちらを
見下ろしている。
 
「あーはっは!私に歯向かうものは皆こうなるのよ!!」
 
レイフィムは情け容赦なく、風生と冥府使者をまとめて両足で何度も踏みつけた。
 
ドカッ!ゲシ!!ブシッ!!!
 
辺りには砂煙があがり、風生と冥府使者の絶叫が木霊した。
 
「ふっ・・・勝ったわ・・・!!」
 
額に光る珠のような汗を右手でぬぐいながら、一人余韻に浸るレイフィム。
その場には倒れ付す風生と冥府使者の姿があった。
 
「あ、悪魔だ・・・」
 
冥府使者はその一言だけ発し、息絶え、消滅した。
 
(さーてと、スッキリしたし、帰ろうかなっと・・・)
 
レイフィムはそのままその場を立ち去ろうとしたが、ふと後ろを振り返る。
 
その場には風生が倒れたままである。
 
(さすがにこのままほっていくのはかわいそうかな?)
 
レイフィムは自分がやったという事実を完全に棚にあげて、風生の頬を軽く
右手ではたく。
 
「ほら、起きなさい。帰るわよ。」
 
「うーん、もう食べられないのですよ・・・」
 
風生は寝言を発する。どうやら気絶状態から睡眠状態へと移行したらしい。
 
「起きないとこのままほって帰っちゃうわよ?」
 
レイフィムは風生の足を右手で引っ張ったが、何かにつっかえたように動かない。
振り返ってみると、風生は気を失ったままの状態で、見えない何かをつかんで
いるようである。
 
「ん、何をつかんで・・・」
 
レイフィムは風生の手元を見てはっとした。
一見、そこには何もないように見えるが、風生は確かに『何か』をしっかりと握り締めている。
 
しかもそこは冥府使者が消えた場所だった。
 
「ちょ、まさかそれって・・・」
 
レイフィムは全身を奮わせる。
嫌な予感が彼女の全身を包み、冷や汗が額ににじみ出る。
 
実は以前、レイフィムはクロカゲから聞いたことがあった。
冥府使者がごくまれに落とすという『レアアイテム』のことを・・・。
 
しかも間が悪いことに、レイフィムの目にはそのアイテムを視認することができない。
 
「ちょ・・・起きんか、コラーーーー!!!」
 
レイフィムは風生の全身を両手でガクガクと揺さぶる。
 
「うーん・・・こんなにたくさん・・・夢みたいです~・・・」
 
しかし風生はブツブツと寝言を囁くだけで、起きそうな様子は見せない。
 
「私が悪かったわ!謝る!本気で謝るから!!だから今だけでいいから!
起きて!!!」
 
レイフィムは必死に風生を揺さぶり続けた。
 
しかし一向に少女は起きる気配を見せない。
 
「イヤアァァァ!!!」
 
その日、某時刻。ぞくぞく村の奥地で一人の少女の恐怖とは異なる、いや、ある意味
心底恐怖から発せられたものであろう悲鳴は辺りに木霊した。
 
周囲にいた人々はその悲鳴に驚き、おそるおそるその場から去っていったという。
 
そしてこの事件は後に、『冥府(レイフィム)の悲劇』として、語り継がれた・・・とさ



 


<あとがき代わりに>

はい、最初の方は年明け前に書いてたわけですが、ずっと放置してました。
すみません!!

だから季節はまだ冬の設定なわけですが、気がつくともう春です。
このままの勢いで次の話書いてみるのも面白いですね。
まあ書く気がおきれば・・・ですが(汗

さて、今回のネタですが、冥府使者相手にはさすがにないでしょうが、
コア、ビントー、タコ相手などでは普通に起こりえる症状です。

泣きをみないためには、ボス戦前には自由取得にするクセをつけておいたほうがいいでしょうね。

それでは本日はこのへんで失礼~
 
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