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2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
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ラテール創作小説 Revolution

 大変長らくお待たせ・・・はしてませんが、続きを再開したいと思います(汗

深さのヨミにもあったとおり、今回は「奴」が再登場します。
お読みいただく場合はつづきをどうぞ。


 

ラテール
ジエンディアサイドストーリー
            ~美月夜~

「第6話、治癒の聖所」



「たぁー!!」
 
掛け声をあげながら目の前から身の丈ほどもある木槍を振り下ろしてくる。
 
「甘いね!」
 
振り下ろすというよりは振り回されるといったほうが正しいその攻撃を美月夜は
自分の木槍で思い切り打ち払ってやる。
 
「あっ!」
 
相手はその一撃に耐えられなかったのか、僕の一撃で槍を飛ばされ、その勢いで
床に尻餅をついた。
 
そこへ美月夜は穂先をつきつけ勝ち誇ったように名乗りをあげた。
 
「また僕の勝ちだよ!」
 
「ううう・・・くそぅ!!」
 
目の前のその子は目にくやし涙をにじませながら、こういった。
 
「次こそは絶対僕が勝つからな!!覚悟しててよ!!」
 
「へへー、いつでもおいでよ。」
 
そしてその子はその場から走り去っていった。
 
-------------------------------------------------------------------------
 
[エリアス]
[宿屋内]
 
ベッドの中で美月夜は窓の外から聞こえるすずめの鳴き声によって目を覚ました。
 
(夢か・・・。そういえば昔よく一緒に遊んだ子供がいたっけ。)
 
美月夜はベッドから降りて、洗面所へと向かった。
 
(弱いくせに負けん気だけは強いやつだったな。)
 
昔の様子を思い出した美月夜はくすりと笑みを浮かべてから顔に冷たい水をかけた。
 
(結局あの後どこかに引っ越していったんだっけ、元気にやってるかな。)
 
「七瀬君、起きてるかい?」
 
タオルを手に取り、顔を拭こうとしたそのとき、美月夜は声をかけられた。
 
「あ、うん、起きてるよ。」
 
声をかけてきた人物はベヒーモスの腹の中で出会ったったルディスという少年だった。
年齢は聞いていないが、たぶん自分と大差ないだろう、そう美月夜は感じていた。
元々敬語を使うのが嫌いだった美月夜は普通に話すことにした。
 
「・・・ちょっとまずい状況になってる。ひとまず隣の部屋に来てくれないかい?」
 
ルディスはそれだけ伝えると部屋を出ていった。
 
(どうしたんだろう。)
 
------------------------------------------------------------------------
 
隣の部屋にはベッドが二つ並べておいてあり、その上に男女2名が寝かされていた。
それはベヒーモス体内において美月夜に協力してくれたクロカゲとヴァルアースである。
 
「特に外傷は負ってはいないが、厄介な毒に侵されて目が覚めない。」
 
「毒だって!?」
 
そのとき美月夜は思い出した。
二人はベヒーモスの体内でトク様の卑劣な罠によって毒釜へと放り込まれてしまったのだ。
 
(俺に協力してくれたばっかりに・・・!)
 
美月夜は唇を強く噛んだ。
さらにルディスは告げる。
 
「それと言いにくいことだけど・・・、このまま放っておくと長くないかもしれない。」
 
「そんな!ちょっと待ってくれよ!なんとかならないのか!?」
 
「方法がないこともないけど・・・」
 
「どうすればいいんだ!?」
 
「ここから東に言った山岳地帯に『治癒の聖所』というところがあって、そこに湧き出る
水はどんな傷や状態異常も治せるんだ。」
 
「じゃあその水をとってくれば二人は助かるんだな!?」
 
「おそらく。でも山岳地帯は並の冒険者なら近寄るのは避けるくらい危険な場所なんだ。」
 
「そんなの関係ねえよ!そもそも俺の世話を焼いたりしなければこんな目には
会わなかったんだ。放っておくことはできないよ。」
 
「そうか、わかった。・・・それと彼女のことだが・・・」
 
「別に君のせいじゃない。むしろ君はあのトクって奴から助けだしてくれたんだろ?」
 
先日美月夜はベヒーモスの体内にてトクと名乗る男と戦ったのだが、それは元々
ベヒーモスに飲み込まれてしまった美月夜の友人の綾乃を助けだすためだった。
 
ルディス曰く、美月夜がトク様の元にたどり着く前に助け出すことには成功したものの、
脱出する途中、また何者からに攫われてしまったということだ。
 
「しかし・・・」
 
「悔やんでも仕方ない。とにかく俺は治癒の聖所という場所に向かって水をとってくる。」
 
「うん、では僕は二人の容態を見つつ、情報を集めてみる。
きっと君の友人の行方も探し出してみせるよ。」
 
「頼むよ。それじゃ俺は行ってくる。」
 
--------------------------------------------------------------------------
 
[山岳地帯]
 
美月夜は祖母にもらった槍を片手に山岳地帯を慎重に進んでいく。
ルディスの指示したとおり進んでいくと、やがて洞窟へとやってきた。
 
「この先か・・・」
 
洞窟を進んでいくと徐々に明かりは細くなっていき視界が悪くなってくる。
美月夜は己を奮いたたせ、慎重に先へと進んでいった。
 
グルルル・・・
 
そのとき美月夜の耳に何かのうめき声のようなものが聞こえてくる。
 
(なんだ・・・?)
 
その直後、美月夜の前に大きな黒い熊、ブラックベアーが立ちふさがる。
 
(ちょ、冗談じゃない。こんなの相手にしてられるかよ!!)
 
美月夜は咄嗟にその場から駆け出し、通路の奥に向かって走った。
その先は大きく開けており、美月夜は大きく息をついたのだが・・・
 
(冗談きついよ・・・)
 
周囲を見渡した美月夜は嘆息をついた。
そこには先ほどのブラックベアーが無数に生息しており、美月夜はすっかり取り
囲まれてしまっていた。
 
『グアアア!!』
 
その中の一体が叫び声をあげながら立ち上がり、丸太ほどもある大きな右腕を
勢いよく振るおうとした。
 
(くっ・・・!)
 
美月夜は咄嗟に目を瞑る。
 
ダァン!
 
そのとき突如その場に響き渡る破裂音。
その直後、目の前のブラックベアーはその顔を大きく後方に弾かれ、そのまま倒れた。
 
(なんだ・・・?一体何が?)
 
状況がつかめずうろたえる美月夜。
しかし先ほどの破裂音はさらに続く。
 
ダン!ダン!ダン!
 
すると音がなると同時に一体ずつブラックベアーが弾かれ、倒れていく。
 
(これはひょっとして・・・銃声!?)
 
銃声が鳴った後方に目を向ける美月夜。
 
するとそこからは両手に銃を携え、白い長髪をなびかせながら一人の青年が
姿を見せる。
 
「危ないところだったな。大丈夫・・・」
 
青年は近づいてきて美月夜の姿を確認するとあからさまにがっかりした表情を見せた。
 
「なんだ、ガキかよ。てっきり美女がモンスターにでも襲われていると思ったのに、
俺のカンもにぶったかな・・・」
 
「あんたは・・・ひょっとして助けてくれたのか?」
 
「悪いが俺はヤロウには興味がねえんだ。ここはガキの来る場所じゃねえ。
とっとと帰りな!」
 
青年はピシャリとそう言い放つと右手で後方を指差した。
 
「そんな言い方はないだろ。俺だってここに用事があるんだ。」
 
「用事だと・・・。大方うろうろしてて迷い込んだだけ・・・ん?」
 
目の前の青年は美月夜のほうを見て何かに気づいたようだ。
 
「小僧、お前槍を使うのか?」
 
そういいながら美月夜の手元に目を落とす。
 
「あ・・・ああ。これは・・・」
 
「ちょっとその槍見せてみな。」
 
青年はそう言うと一瞬のうちに美月夜の元に詰め寄り、美月夜の手元から槍を
ひったくった。
 
(な・・・いつのまに!?)
 
不意をつかれたとは言え、青年の動きはただごとではなかった。
 
「ちょっと・・・返してくれよ!」
 
「んー・・・こいつは・・・」
 
青年はしばし槍を眺めていたが、何かに気づいたように美月夜に切り出す。
 
「中々面白いもの持ってるじゃねえか。こいつはどこで手に入れたんだ?」
 
「これは・・・ばあちゃんからもらったんだ。」
 
「ふーん、ばあちゃんから・・・ねぇ。」
 
青年は槍をクルクル回しながら眺めているとふとした拍子に柄がとれた。
 
「っと、すまない。・・・ん、こいつは!?」
 
中を覗き込んだ青年は何かに気づいたように声をあげる。
 
「くくく・・・あーはっはっ!!」
 
そして突然笑い声をあげはじめた。
 
「なんだか知らないけど・・・もういいだろ。返してくれよ。」
 
「こいつは傑作だ。こんなところでこんなものに出くわすとはな。
これも運命ってことか・・・」
 
目の前の青年は意地悪く笑みを浮かべた後、美月夜に近寄ってくる。
 
「小僧。生意気にも槍を使うみたいだが、この槍の力には気づいてないみたいだな。」
 
「槍の・・・力だって?」
 
「証拠は一見にしかずって奴だ。まあ見てな。」
 
そういうと青年は手馴れた様子で槍をいじり始めた。
すると突然槍全体から青い光が迸る。
 
「な・・・!」
 
美月夜は反射的に目を閉じた。
 
そして再度目を開けてみると、そこには一回り大きくなり、全身から蒼い輝きを放つ
美月夜の槍があった。
 
「こいつは『ウルフスピア』だぜ。狼の魂と力を宿した槍だ。」
 
「ウルフスピア・・・」
 
青年から槍を受け取った美月夜は槍をまじまじと見つめる。
 
「こんなものを持っているところを見ると、お前のばあちゃんはタダモノじゃねえな。」
 
そう言って、目の前の青年はにやにやと笑みを浮かべている。
 
「で、お前は何しにここに来ているんだって?」
 
「なんだよ、突然。俺みたいなガキには興味なかったんじゃなかったのか?」
 
「ん、気が変わった。話だけでも聞いてやる。」
 
青年はあっけらかんとそう言った。
 
--------------------------------------------------------------------------
 
「ふーん、癒しの聖所にねぇ・・・」
 
「早く泉の水を持って帰らないと二人が危ないんだ。」
 
「俺も実はその聖所に用があってきたんだが・・・いいだろう、一緒に
連れて行ってやる。」
 
「・・・あんたについて行って安全だって言う保障は?」
 
「ったく、可愛くねえガキだ。まあ好きにするがいいさ。ただし今度はモンスターに
襲われても助けちゃやらねーがな。」
 
「・・・」
 
美月夜は少し考えた後、顔をあげた。
 
「わかった。お願いするよ、おじさ・・・」
 
美月夜が返答しようとした瞬間、青年はすさまじいスピードで懐から銃身を抜き、
美月夜の額にあてがった。
 
「よく覚えておけ。俺の名はBSB。俺を呼ぶときはBSB様と呼べ。
間違っても今の言葉を口走るんじゃねえぞ。そのときはその頭に風穴を空けてやる・・・」
 
「わ、わかりましたBSB様。だからそれは閉まってください・・・」
 
美月夜は目の前の男、BSBのあまりにも本気の目と迫力に押されて咄嗟にそう答えた。
 
「わかりゃーいいんだ、わかりゃー。ほら、いくぞ、とっととついてこい!!」
 
男はそう言うと素早く奥へと進んでいった。
 
(やれやれ、なんか変な奴に捕まっちゃったなぁ・・・)
 
美月夜はげんなりした表情を浮かべながらも後に続くことにした。




<あとがきがわりに>

およそ一ヶ月ぶり(いやもっとか;;)ですが続きをアップしてみます。
いやー、出しちゃいましたね。管理人の持ちキャラの中でも色々と問題のあるBSBの再登場です(ぁ

当初から予定していたわけでは当然ありませんが、構想を進めていくうちに・・・
まあ色々あるんですよ、色々と。

まあ長く続けるつもりでもないんですが、今考えている話は区切りいいとこまで書いて
しまいたいので、もうちょっと頑張りたいです。

それでは本日はこのへんで失礼w
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