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2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
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ちょっと最近さぼってたしねー。
やる気があるときにどんどんいきますよ!w

と、いうわけで2日連続更新です(´-ω-`)

今回も昨日に引き続き、他キャラ視点での外伝となります。
ご覧いただく場合はつづきをどうぞ。
 




[エリアス]
[地下水路]
 
「ファイアーバースト!!」
 
少年の両手から魔力の奔流と共に炎の塊が打ち出される。
 
ブオオ!!
 
炎は前方のゾンビプリリンをなぎ払い、焼き尽くした。
 
「へへっ、どんなもんだい!」
 
得意げにガッツポーズを作る少年。
 
『キキー!!』
 
しかし油断した少年の後方から突如蝙蝠の群れが襲いかかる。
 
ゴゥ!!
 
さらにその横方向から蝙蝠をなぎ払う少年の放ったものより一回り大きな炎。
 
「やれやれ、すぐ油断するのは君の悪い癖だね、ケラーマン。」
 
「先生!」
 
そこには長い髪を後ろで結った長身の青年が立っていた。
右手を前に突き出した状態でその場に立っている。
 
「よし、それじゃ大体片付いたようだし、そろそろ戻ろうか。」
 
--------------------------------------------------------------------------
 
[エリアス]
[旧市街]
 
「それにしてもやっぱ先生はすごいよなー。あんなでっかい魔王ゴブリン
を簡単にやっつけちゃうんだからさ。」
 
「褒めてばかりいないで今回のことはきちんと反省しなさい。いつも私が
助けられるとは限らないのだから。」
 
「・・・うん、気をつけるよ。」
 
叱られたケラーマンはがっくりと頭を下げる。
 
「大丈夫。ケラーも頑張って修行を続ければこのくらいはすぐできるようになるよ。」
 
「ほんと?」
 
「ああ。君には魔術の才能がある。それは私が保証するよ。」
 
「えへへ。」
 
ケラーマンは照れ隠しに頭をぼりぼりと掻いた。
その様子を先生は目を細めて見ながら、その場から立ち上がる。
 
「さて、と。私は今度の仕事でしばらくエリアスの町を出る。
今度帰ってこれるのはいつになるかわからないが、知り合いのギルドに連絡はとって
あるから、しばらくそこで世話になってほしい。」
 
「えぇ?どこに行くのさ?」
 
「悪いけど内緒だよ。極秘任務なのでね。」
 
「むー、わかったよ。でもなるべく早く帰ってきてよね。」
 
「うん、約束するよ。」
 
ケラーマンは戦争孤児だった。
幼くして親を亡くし、両親の顔さえ知らない。
 
道端で飢えて倒れていたところを見かけた一人の青年はケラーマンを助け
引き取ることにした。
 
それから生きていくための力をつけさせるために魔術を指導しはじめる。
ケラーマンはいつしか彼のことを「先生」と呼び、まるで実の親のように慕っていた。
 
--------------------------------------------------------------------------
 
<数日後>
 
「え・・・先生が!?」
 
「ああ、何か特殊な任務を受けて東に向かったそうだが、エルパを最後に
その消息を絶ったらしい。うわさじゃ生死のほども不明だとか・・・」
 
村人はケラーマンにそう告げた。
しかしケラーマンは笑顔すら浮かべてこう断言する。
 
「大丈夫だよ、先生はすげー強いんだ。きっと何か理由があって出てこれないだけ
なんだよ。」
 
「あ、ああ・・・そうだな。きっと無事だよ!」
 
「うん、心配するだけ損だよ。」
 
しかし少年は言葉とは裏腹に唇を噛み締め、右手を強く握り締めていた。
 
(大丈夫だよね、だって帰ってくるって僕と約束したんだ・・・)
 
-------------------------------------------------------------------------- 
<3年後> 
[アオイチ]
 
当時12歳の子供だったケラーマンは15歳になった。
 
まだまだ子供ではあったが、今では魔術の腕は決して大人にもひけをとらない
とまで言われる腕前に成長した。
 
ギルド内のメンバーは当然、彼より年上の冒険者ばかりだったが、彼を必要以上に
子供扱いしない良い人間ばかりだった。
 
ある日、ギルドのマスターは言った。
 
「みんな、聞いてくれ!今回の仕事はとても重要な任務だ。」
 
「重要な任務?」
 
「ああ、黒月城の城主様はみんな知っているだろう。今回何者かが城主様を狙っている
という情報が入った。」
 
ギルドマスターの言葉にギルドのメンバーはざわつき始める。
 
「そこで俺達は城の警備の者と一緒に城内の警護につく!大変な仕事ではあるが、
これは俺達のギルドの実力を世に示すチャンスだ!気を引き締めて取り組んでほしい!」
 
「おおー!!」
 
(黒月城の警護か、大丈夫かな・・・)
 
ポン
 
周りが盛り上がる中、一人不安を覚えるケラーマンの肩をそっと叩く一人の人物。
 
「なーんや、しみったれた顔してからに。」
 
年は僕と同じくらいだったと思う。同じくギルドメンバーの一員で名前は「フリアータ」。
とても人なつっこくて独特な雰囲気を持つ少女だ。
 
「だってフリさん。こんな重要な仕事、僕達が受け持つって大変なことだよ。」
 
「あほやなー。そんなまじめにやってどうすんねん。肩の力抜いて気楽にやればええんよ。」
 
そういってフリアータは笑顔を見せた。
明るい笑顔の奥から八重歯が覗く。
 
釣られてケラーマンも笑みを浮かべる。
 
「あ、ありがとう。おかげでちょっと落ち着けた気がするよ。」
 
「よっしゃ、じゃあそろそろいくで!」
 
---------------------------------------------------------------------------
 
<夜>
 
ケラーマンとフリアータは実力こそあるものの、年齢が非常に若いことから
前線には出されず、何かあったときの連絡係となった。
 
「ちぇ~、つまらんな~。」
 
自分に当てられた仕事が余程気に入らなかったのか、フリアータが口を尖らせる。
 
「これも仕事だよ。ぼやかないぼやかない。」
 
「ケラさはまじめすぎるで・・・そうだ!」
 
フリアータは何か思い立ったようにポンッと手を叩く。
 
「このお城には地下があってすごいお宝があるって聞いたことがあるねん。」
 
「・・・それで?」
 
「それで・・・ってわからへんかなぁ。どうせここにいるだけやったら暇なだけやし、
探しにいってみいへん?」
 
「勝手に持ち場離れたら怒られるよ。」
 
「大丈夫大丈夫。ほら、いくで!!」
 
フリアータに連れられるままにケラーマンは持ち場を離れた。
 
---------------------------------------------------------------------------
 
<数分後>
 
「あれー・・・ここどこや・・・」
 
黒月城内部は膨大な広さのため迷路のようになっていた。
そして当然のごとく二人は道に迷ってしまっていた。
 
「だから言ったじゃないか、勝手に行動しちゃいけないって。」
 
「ごめんごめん・・・でも今はそんなこといっとる場合じゃ・・・あれ?」
 
フリアータは何かに気づいたように目を細め、遠方に目をやる。
 
「あれ、天守閣のほう・・・燃えてるんとちゃうか!?」
 
「なんだって!?」
 
ケラーマンはフリアータが指差した方向に目をやる。
確かに赤い炎が上がっており、耳を澄ますと叫び声が聞こえてくる。
 
「大変だ。行こう!」
 
--------------------------------------------------------------------------
 
はぁはぁ・・・
 
息を切らせながらケラーマンとフリアータは炎が見えた現場付近にやってきた。
周囲には火の手があがっており、あちこちに人が倒れている凄惨なありさまだった。
 
「一体何があったっていうんだ!?」
 
その直後、ケラーマンは背後から殺気を感じて振り向いた。
 
慌てて振り向いた先には黒ずくめの衣装に身を包んだ暗殺者が現れ、ケラーマンに
向かって短刀を振り下ろしてきた。
 
ガキン!!
 
咄嗟にケラーマンと暗殺者の間に影が割り込む。
その人物は持っていた剣で暗殺者の攻撃を止めた。
 
「はぁ!!」
 
返す刀で暗殺者を切り返した後、こちらを振り帰った。
 
「マスター!」
 
「ケラーマン、フリアータ!無事だったか!!」
 
「マスター、一体何が・・・」
 
「話は後だ!!俺はこのまま城主様の元へ向かうが、お前達は街へ逃げろ!
とにかく助けを求めるんだ!!」
 
「で、でも・・・」
 
躊躇うケラーマンの襟元が思い切り引っ張られる。
 
「ええからいくで!さっきのは暗殺者ギルドのアサシンや!
とてもわいらの手に負える相手やない。ここは任せるんや!!」
 
「くっ・・・!!」
 
ケラーマンは唇を噛み締めながら出口に向かって走ろうとした。
その時突然目の前に一人の人物が現れる。
 
先ほどの暗殺者と同様に黒いフードを羽織っているが、フードの間から長髪が
垂れ下がっている。
 
「ちっ!まだいたのか!!」
 
マスターは咄嗟に駆け寄り、走り込む勢いを殺さずそのまま男に向かって剣を振り上げる。
 
ドヒュ!!
 
男は咄嗟に身を翻し、マスターの剣閃は男の眼前で空を切る。
しかしその勢いでフードが捲れ、男の顔が露になった。
 
「そ・・・そんな・・・まさか・・!?」
 
その表情を見たケラーマンは唖然とする。
 
「せ・・・先生!?」
 
その人物は3年前に行方不明になったケラーマンの先生だった。
3年という月日が流れていたが、何故か男は3年前のケラーマンの記憶のままの姿だった。
 
しかしその男はケラーマンの声には反応しない。
 
「うおぉ!!」
 
マスターも必死だったのか、ケラーマンの発した声には気づかなかったようだ。
再度切りかかろうと男に詰め寄る。
 
ヒュッ!
 
黒装束の男は素早く右手を突き出し、マスターの首を取る。
そして細身の体からは想像もつかない力で首を絞めつけながら、軽々しく持ち上げた。
 
「ぐ・・・は・・・」
 
宙吊り状態にされたマスターはくぐもった声を発する。
その直後・・・
 
ドンッ!!
 
爆発音がしたかと思うと男の右手の先から発せられた黒い塊によって
マスターは大きく後方へ飛ばされる。
 
直後、マスターの全身が黒い炎に包まれた。
 
「ぐあああ!!!」
 
「た、大変や!!」
 
フリアータは咄嗟に上着を脱ぎ、マスターの全身の炎をなんとか消そうと叩きつける。
しかし、通常の炎ではないのか、全身を覆った黒い炎は勢いを弱めるどころか、
一層激しく燃え上がる。
 
「先生・・・先生なんだろ!!なんでこんなひどいことするんだよ!!」
 
ケラーマンは目の前の男に向かって必死に呼びかけた。
しかし男はそんなケラーマンの呼び声には反応せず、無言でその場から歩み去る。
 
そしてそのまま不意にその姿を消した。
 
「な・・・消えた!?」
 
フリアータが驚きの声を上げる。
そしてその場にはケラーマンとフリアータの二人だけが残った。
 
「一体あいつ何者なんや・・・ケラさ?」
 
ケラーマンは全身を襲う奮えを止めることができず、フリアータの声も聞こえない
状態で立ち尽くす。
 
「なんでだよ・・・なんでなんだよ!!先生ーーー!!」
 
ケラーマンの叫び声は周囲へと響き渡った。
 
-------------------------------------------------------------------------
 
[黒月城]
[十六夜の間]
 
「これがマイノの宝石か・・・」
 
黒装束に身を包んだ長髪の男はと不敵に笑った。
彼の傍には血まみれになった身なりのよい男が顔を伏せ、倒れている。
 
その場に倒れているのは黒月城の城主だった。
 
「くくく、ついに手に入れたぞ。これで更なる力を手にすることができる。
もうすぐ私の野望が現実のものとなるのだ・・・!」
 
男は嘲笑をあげながらその場から姿を消した。
 
--------------------------------------------------------------------------
 
<5年後>
 
「それじゃわいはベスへ向かう。どうやらクトガ遺跡には炎を操るアガシュラが
おるらしいから調べてみるわ。」
 
「うん、僕は暗殺者ギルドについて調査してみるよ。組織自体は2年前になくなった
みたいだけど、どうやら背面下には暗殺者はまだ存在し、活動を続けていると聞いた。」
 
「5年前、黒月城内部に突如現れ、当時のわいらの仲間とギルドマスターを焼いたあの男。
あいつが暗殺者ギルドを指揮し、黒月城を襲わせたのは間違いないみたいや。
しかもアガシュラって話やけど、あの男はケラさの・・・」
 
「そう、僕達の仲間を殺し、黒月城の城主様を殺害したのはきっと先生だ。
理由はわからないけれど、その凶行を許すわけにはいかない・・・」
 
「ケラさはどうするつもりや?」
 
「僕はエリアスに行くつもりさ。近日格闘大会が開かれるらしいけど、その影で
暗殺者達が不穏な動きを見せていると情報が入った。
彼らを捕らえることができれば、ギルドの内情を調べられるかもしれない。」
 
「そっか。エリアスにはうちの妹がおるから伝えといてくれへんか。
わいは元気にしとるってな。しばらく戻ってないから心配しとるやろうし。」
 
「わかった。伝えておくよ。フリさんも気をつけて。」
 
「おう!また何かあったら連絡するで。ケラさも気をつけてな!!」
 
「ああ、また会おう。」
 
そしてそのまま二人は別れた。
 
(先生・・・あなたの身に一体何があったっていうんだ・・・)
 
ケラーマンはかつての恩師の姿を思い浮かべつつ、複雑な思いを胸に旅路についた。
 
 
 
 
 
 


<あとがきがわりに>

はい、勢いで書き上げた外伝はこんな感じです。
まあツギハギながらも以前のBSB君との話にこれでつながりができたと思います。

そしてさすがにお気づきでしょうが、この話も今後の展開への布石の予定です
( ̄ー ̄)ニヤリ

さて、ここからテンポよく書いていけるといいんだけど、まあどうなることやらw

それでは本日はこのへんで失礼w
 
 
 
 
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