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2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
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ラテール創作小説 新章

本当はもうちょっと大会を続ける予定だったのですが、予定を変更、今回から急展開となります。

決して書くのがめんどくさくなったとかそういうわけじゃありません、ほんとですよ(ぁ

ご覧いただく場合は続きをどうぞ。

ラテール
ジエンディアサイドストーリー
            ~BSB~

「第13話、断罪の時」



[エリアス格闘場]
[選手控え室]

「あいたたた・・・」

激闘を終えたマリーミアは控え室に戻るなり右手で腹部を抑え、顔をしかめた。

「よぅ、腹は大丈夫か?」

マリーミアの背後からBSBが不意に声かける。

「な、なんのこと?」

「あの戦いを見て気づかない方がどうかしてるぜ。フェイトの一撃が原因で腹部を
痛めたんだろう?」

「うっ・・・」

BSBはマリーミアに近寄り、右手で軽くマリーミアの腹部を押してみる。

「どうやら折れてはいないようだが、骨にひびが入っているみたいだな。
試合もおわったことだし、さっさと医務室にいってきな。」

「わ、わかってるわよ。」

「しかし馬鹿な奴だ。さっさと降参すりゃいいものを、無理するからこんなことになるんだ。」

(なによ、ちょっとぐらい褒めてくれたり、慰めてくれてもいいじゃない・・・)

マリーミアは軽くため息をつきながら控え室から出ていこうとする。

「ああ、ちょっと待った。」

そこへ再度BSBが呼び止める。

「・・・何?」

「・・・まあ、お前にしちゃよくやったほうなんじゃねえか?」

BSBは頭をかき、少し俯きながらそういった。
その言葉を聞いたマリーミアは少しの間呆然としていたが、やがらクスクスと笑い始める。

「・・・んだよ。」

「まさかあなたからそんな言葉を聞けるとは思ってなかった。」

マリーミアの返答に、BSBはわずかに顔を赤らめる。

「へっ、実際のところはまだまだだけどな。大怪我しなかっただけラッキーなんじゃねえか?」

「あー、ひどい。あんたが戦ってたらもっとコテンパンにされてるわよ。」

「さー、それはどうかな。」

二人はしばし言い合った後、一息つく。

「それじゃ医務室にいってくるね。あなたも仕事頑張って。」

「・・・ああ。」

マリーミアは控え室から出ていった。

(やれやれ、らしくねえぜ。何を言ってんだ俺は。)

ギィィ

そのとき再度控え室の扉が開く。

「なんだ、まだ何か用・・・」

しかしマリーミアが部屋に戻ってきたわけではなかった。
そこにはBSBと同様に白い長髪を携え、全身から得体のしれぬ雰囲気を放つ男がそこにいた。

「なんだてめえ、何かここに用か?」

「・・・お前がBSBか?」

「だったらなんだってんだ?」

「貴様のうわさを聞いてもしやと思ってな。確認をしにきた。」

「何の確認だって?」

「やはり間違いないな。貴様は・・・」

男はBSBを見て、鋭く睨む。

「しかしよく生きていられたもんだな。」

「ったく、どいつもこいつも言うことはそれかよ。いい男は・・・」

しかし男はBSBの言葉を遮り発言を続ける。

「2年前にあれほどのことをしておきながらよくおめおめと生きていられるなと
言っているんだ。」

男の発した言葉にBSBの全身に衝撃が走る。

「2・・・年前・・・だと・・・!?」

「そうだ。貴様のせいであいつは・・・」

男は言葉につまり、怒りに身体を震わせる。

「しかし暗殺者も役にたたんな。確認するだけという簡単な依頼内容すら果たせずに
捕まるとは・・・」

「まさかあいつはてめえの差し金か?」

しかし男はBSBの問いに答えない。

「まあいい。それなら俺にも考えがある。この場は大人しく退散するとしよう。・・・だが」

そしてBSBに背を向け、こう言った。

「これだけは覚えておくがいい。俺は貴様だけは許さん。・・・何があろうと絶対にだ!!」

そう言い放ち、男は控え室を出ていった。

「待ちやがれ、一体てめえは何を・・・!」

BSBは慌てて後を追ったが、廊下に既に男の姿はなかった。

(2年前だと・・・。俺の空白の記憶をあいつは知ってるってのか・・・?)

BSBはしばしその場に立ち尽くしていた。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

[医務室]

「うん、これでいいわ。」

医務室にいた女医はマリーミアの腹部に包帯を手際よく巻きつけた。

「でもしばらくは無理せず、安静にしておくこと。いいわね?」

「わかりました。ありがとうございます。」

マリーミアは礼を言い、部屋を出ようとした。
しかしそのとき不意に目の前の扉が開く。

「あなたは?」

扉が開いたその先には白髪、長身の男が無表情で立っていた。

パァン!

男は不意に懐から銃を取り出したかと思うと何のためらいもなくマリーミアの腹部を打ち抜いた。
マリーミアは一瞬が何が起こったか理解できず、男の顔を見上げる。

(えっ・・・、何・・・?)

しかしすぐに全身から力が抜け、マリーミアはその場に倒れこんだ。

「あなた、いきなり何を・・・!!」

医務室にいた女医は男の存在に気づき、悲鳴をあげる。

パァン!!

しかし男はその問いには答えず、ためらうことなく再度手元の銃の引き金を引く。
撃たれた女医はその場に倒れ、動かなくなった。

(心配するな。殺しはしない。・・・今はまだな。)

男はその場に倒れこんだマリーミアの身体を抱え込み、石塔の欠片を砕いた。


------------------------------------------------------------------------------------------------------------

(おっせえな。何やってんだ・・・?)

BSBは控え室の廊下をウロウロと歩きまわっていた。
そして遠くから響く破裂音を聞き取る。

(あれは、銃声!?ちっ、まさか・・・!)

BSBは医務室に向かって駆け出した。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

[医務室]

(これは、かすかだが火薬の匂いが・・・)

医務室に辿りついたBSBは素早く辺りを見渡した。
すると部屋の中に倒れている一人の女性を発見する。

「おい、先生!何があったんだ!?」

呼びかけるも返答はない。
よく見ると女医の腹部には銃で撃ちぬかれた形跡があった。

(これは・・・麻酔弾か。どうやら命に別状はないみたいだな。)

BSBは倒れ付した女医をベッドに横たわせ、部屋の周りを注意深く見渡した。
すると奥の壁に赤い字で記述されたメモが張られていることに気づく。メモにはこう書かれている。

『お前の知り合いの娘の身柄は俺が預かる。無事返してほしくば、アトランティスの
『キメラ研究所』へこい。  ~ブラッドレイン~』

(ブラッドレインだと?さっきの男か・・・?)

BSBは壁に貼られたメモを剥ぎ取った。

(それにしてもマリーの奴、つくづく面倒に巻き込まれるのが得意な奴だ)

BSBは舌打ちし、その場から離れた。

------------------------------------------------------------------------------------------------------------

[エリアス格闘場]
[観客席]

「あら、お帰りなさい。マリーちゃんの様子はどうだった?」

観客席に戻ったBSBをデスマーチが迎える。
しかしBSBはデスマーチの問いに答えず、押し黙る。
すぐさまBSBの異変に気づいたデスマーチは再度問いかける。

「どうしたの?何かあった?」

「・・・デスマーチ。ちょっと聞きたいことがある。『ブラッドレイン』という名に聞き覚えはあるか?」

「ブラッドレイン・・・。2年ほど前から裏の世界にその名をとどろかせ始めた男よ。
冷酷に任務を遂行する彼の元には必ず血の雨が降ることからそう呼ばれるように
なったと聞いているわ。」

デスマーチの言葉にBSBはしばし考え込む。

「何があったの?」

「実は・・・」

BSBは医務室での出来事をデスマーチに伝える。

「そんな・・・マリーちゃんが連れ去られた・・・」

「ああ」

「しかし何故マリーちゃんを。彼の狙いは一体・・・」

「奴の狙いは俺だ。さっき俺達を襲った暗殺者も奴の差し金のようだ。」

「なんですって!?」

「見たこともない奴だったが、奴は俺を知っているようだった。しかも記憶をなくす
前の俺をな・・・」

「そんな・・・急いで助けにいかないと!」

デスマーチは駆け出そうとしたが、BSBは首を横に振る。

「フェイトのこともあるし、お前はここにいろ。奴の狙いがこの俺なら俺一人いけば
それで済むことだ。」

「BSB、あなた・・・」

「それに理由はわからないが、俺はもう一度奴に会わなければいけない。
何故だかそんな気もするんだ。」

「・・・わかったわ。でも一つだけ約束して。」

「なんだ?」

「海賊船のときのように自分を捨てるようなマネはしないこと。必ず生きて帰ってくるの。
いいわね?」

「相変わらず心配性なことだぜ。俺が死んだらお前も含めて世界中の女を泣かせることに
なっちまうだろうが。俺がんなことするかよ。」

BSBは軽くおどけて見せた後、表情を引き締める。

「・・・それじゃ行って来るぜ」

BSBはそう言い残し、ワープポータルに向かって走り去った。
その後ろ姿をデスマーチは見送る。

(軽口を叩く姿は相変わらずだったけど、彼のあんな真剣な表情初めてみたわ。
なんだか胸騒ぎがする・・・)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------

[アトランティス]
[キメラ研究所]

(ん・・・)

マリーミアは目を覚ます。ぼんやりとした目で辺りを見渡すと、まるで大きな試験管の
ような機器が立ち並び、ポコポコと音をたてている。

そして部屋の奥には白髪の男が立っており、なにやらブツブツとつぶやいていた。

「ようやくあの男に2年前の罪をつぐなわせる時がやってきたよ・・・」

男の見つめる視線の先には一際大きな装置が設置されており、その中には男と同じく
白髪の少女が安置されている。

マリーミアは身体を起こそうとしたが、動かすことができない。どうやら全身を縄で
しばられているようだ。

「ちょっとあなた!」

マリーミアの声に反応した男はその場から振り向く。

「もう目覚めたのか・・・」

「一体これはどういうこと!?ここはどこなのよ?」

「元気のいいお嬢さんだ・・・」

男はマリーミアに向かってゆっくりと歩み寄ってくる。

「まあいい、教えてやる。ここはキメラ研究所。お前は奴・・・今はBSBと名乗っていたか。
奴をおびき出すための道具だ。」

「道具ですって!?あなたの目的は何なの?」

「それをお前が知る必要はない。ただ一つ、俺の問いに答えてもらおう。」

「な、なに?」

「お前はあいつの過去を知った上で、行動を共にしているのか?」

「BSBの過去・・・?一体それはどういうこと?」

「やはり知らぬのか。しかも奴自身、過去の記憶を失っているというが・・・ふざけるな!!」

そこで男は突然怒気を強める。

「都合の悪いことを全て忘れて、何くわぬ顔で今を生きている。そんなことが
許されるものか!!」

(この人、何を言っているの・・・?)

マリーミアは恐怖をかみ殺し、男に問いかけた。

「あなたは誰?そこにいる女性は一体・・・」

その瞬間男の目に殺気をも孕んだ光が宿る。
その目に射抜かれたマリーミアはびくりと身体を震わせる。

「・・・まあいい。そんなに知りたいのであれば教えてやる。奴が犯した『大きな罪』をな。
さすればわかるだろう、奴が生きている価値もない男であることをな。」

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

[深淵の遺跡]

BSBは襲い来るモンスターを退けながら遺跡の奥へと進んでいた。

(これは一体どういうこった。こんなところ来たこともない。しかし・・・)

ドン!ドン!

BSBの放った銃弾により、襲い掛かってきたモンスターはその額を打ち抜かれ、倒れる。

(俺は何故だかこの場所を知っている気がする・・・。くそっ、あいつは一体なんだってんだ・・・!!)

BSBは走りながら頭をブンブンと振った。

(まあいい、あいつを締め上げて吐かせてやるだけだ。そしてマリーも助け出す!)

そしてBSBは走るのをやめて立ち止まる。
眼前にはキメラ研究所へと続く入り口が覗かせていた。

(ここか・・・)

そしてBSBは研究所へと足を踏み入れる。
それは己の過去へと向き合うための入り口でもあった。

 

 

 


<あとがき代わりに>

大会から一転、シリアスストーリーに突入です。
このまま大会の決勝までいくと思ってた皆様方ごめんなさい。

皆の予想を裏切るのが大好きなんです!・・・じゃなく(汗
とりあえず書きたい試合は書きましたし、決勝を盛り上げる自信もなかった
というのが本音なところです。

そして次回、ようやく事の発端が判明します。
まあたいした内容じゃありませんがね(´・ω・`)

それに加えてこの話の最後が見えてきました。
もう少しお付き合い願いたいと思います。

それと前回は意味不明記事を書いてしまってすみませんでした。
慰め&励ましのコメントをいただきありがたい反面、申し訳なさもありました。

とりあえず深く考えるのはやめにして、色々がんばろうと思っています。

 

 





 

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