忍者ブログ
2007/6/17開始 2007/8/10改装&リネーム                                                                    ©2006 Actozsoft, All right reserved. ©2006 Gamepot Inc, All right reserved.
ブログ内検索
ラテールMusic Player
曲名を選択



プロフィール
HN:
HA・RU
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1981/05/27
趣味:
ゲーム、インターネット
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

これまたこっそりアップ。
今回で3話目です。ギャグ話書くのも結構難しいですね。
 ラテール
ジエンディアサイドストーリー 番外編
              ~レイフィム~
 
「その3.桜木の湖でお花見」



ぽりぽり・・・
 
クロカゲはタケノコの煮付けを箸でつまみ、口に放り込む。
そして噛み砕いた後、ふと窓の外を眺めた。
 
「うーん、そろそろ春だねぇ・・・。」
 
バァン!!
 
またしてもその場の温和な空気をぶちやぶるように扉が勢いよく開かれ、
一人の少女が駆け込んできた。
 
そして青い髪のツインテールを揺らしながら、入ってきた少女は
やっぱり『レイフィム』だった。
 
「やれやれ、またか。今度は一体なんなんだい?」
 
「お花見をやるわよ!」
 
声高らかにレイフィムはそう宣言した。
 
「唐突なのはいつものことだけど、今回の提案はまともだね。」
 
「うん?なんかすごく失礼なこと言われた気がするけど、まあいいわ。
だって今回の提案は私じゃないもの。」
 
レイフィムはあっけらかんとそう言った。
 
「へぇ?じゃあ一体誰の?」
 
「私よ。」
 
レイフィムに引き続き、栗色の長髪をなびかせ、ヴァルアースが入ってくる。
そしてその手には一升瓶を抱えていたわけだが。
 
「・・・了解。何も言わなくてもいいよ。全部理解したから。」
 
いつになく平和な提案ではあったが、クロカゲの長年のカンが平和に
終わるはずがない、と自身に告げていた。
 
------------------------------------------------------------------------
 
[桜木の湖]
 
「うーん、やっぱりここの景色は素晴らしいね。」
 
クロカゲは辺りを見回しつつそういった。
湖のほとりには桜の木が植えられており、風に吹かれて揺れている。
 
「・・・ただし桜が咲いていれば、だけど」
 
そしてクロカゲは深くため息をついた。
 
周囲に人影はなく、桜の花もつぼみの状態である。
しかも辺りは真っ暗闇につつまれている。
 
「うう、寒い・・・」
 
クロカゲは寝袋の端をひっつかみ、首元まで引き上げる。
 
「それにしても1週間前から場所取りなんて、あんまりだ・・・」
 
クロカゲは湖のほとりで一人寂しく、シクシクと泣いた。
 
--------------------------------------------------------------------------
 
<お花見当日>
 
桜の花びらが舞い散る中、レイフィムは悠然と歩き進む。
 
「よーし、じゃあ始めるわよ!」
 
一番大きな桜の下に陣どったレイフィムは声高らかに宣言した。
そしてその場に落ちていた大きな「みの虫」を蹴り飛ばす。
 
するとその「みの虫」は勢いよくゴロゴロと転がっていき、
湖に勢いよく着水した。
 
転がる途中「うわーーー」とか叫び声が聞こえたのはきっと幻聴だろう。
うん、そうに違いない。
 
「それじゃ早速一杯やりましょうか。」
 
ヴァルアースはその場に腰を降ろし、コップに焼酎をついでいく。
 
「あっ、ヴァルだけずるい、私にもちょーだい。」
 
レイフィムはすかさずヴァルの元に滑り込んでくる。
 
「だーめ、あんたまだ未成年でしょ。」

レイフィムはヴァルに向かって人差し指を突きつける。
 
「いいじゃない。こんなときくらい無礼講よ!」
 
「あなたに飲まれるお酒が可愛そうだから、だーめ。」
 
「ぬぬぬ・・・今日という今日は許さないわ。ヴァル、勝負よ!!」
 
そうして争うを始めるのを尻目に、一緒に来ていた3人の中の一人が歓声をあげる。
 
「うわー、綺麗だねぇ。」
 
その少年は何故か頭に白熊の被り物をかぶっている。
 
「ゆきと君は無邪気ねぇ。はい、オレンジジュース。」
 
ゆきとの隣にいたエアリオが素早くゆきとに向かってジュースを差し出した。
 
「ありがとう、エアc!」
 
「それにしてもお腹空いちゃったんですけど、お弁当はないのですか?」
 
そういって自分のお腹に手をあてながら訴えたのはもう一人の
ツインテールの少女、風生だった。
 
そしてその瞬間、ヴァルアースと争っていたレイフィムの手がピタリと止まる。
 
「なんであんたまで来てるのかはさておき、そこが重要なポイントなのよ!」
 
「はい?どういうことですか?」
 
風生はレイフィムに問いただす。
 
「ふふふ・・・なぜなら・・・」
 
レイフィムは大きく溜めたあと、高らかに宣言した。
 
「料理は自分達で作るからよ!!」
 
「え・・・えぇーーー!?」
 
一同から感嘆の声があがる。
 
「だってぇ、普通にお花見なんてつまんないじゃない?
燃える展開じゃないと私がつまらないしー、みたいなー?」
 
「そこで思いついたのがこれよっ!」
 
レイフィムは懐からタスキを取り出し、広げた。
 
そこには「料理バトル!!」と書かれている。
 
「料理・・・バトル?」
 
「そうっ!ルールは簡単。各自が材料の採取からスタートして、
一番おいしい料理を作ったものの勝利よ!!」
 
「ふーん、レイフィムの提案にしてはまだまとも、かしら?」
 
焼酎を口にしつつ、ヴァルアースはつぶやく。
 
「で、参加者はどうするの?」
 
「決まってるじゃない。私、ヴァル、エアリオ、ついでに風生、よ!!」
 
「ルールは?」
 
「そこにいるゆきとに食べてもらって一番おいしいって言わせたものの勝利よ!!」
 
「うーん、それだと嫁さんのエアリオが有利なんじゃないの?」
 
そこでレイフィムはちっちっち、と舌を鳴らす。
 
「ゆきとは食べたものに対してウソをつけるほど賢くないわ!!」
 
その姿を見たゆきとはパチパチと手を叩いて喜んでいる。
 
(た、確かにそうかもしれないわね・・・)
 
ヴァルアースは釈然としない面持ちだったが、何故か納得がいった。
 
「材料採取から初めて、調理開始は1時間後。そして調理時間は30分!!」
 
そこまでいってレイフィムは懐から小さな拳銃を取り出し、頭上に
向かって引き金を引いた。
 
パンッ!!と甲高い音が周囲に響く。
 
「スタート!!」
 
「ゆきと君待っててね。すぐにおいしい料理を食べさせてあげるから。」
 
そういってエアリオは奥へと駆け出していった。
 
「やれやれ、めんどくさいわねぇ・・・」
 
ヴァルアースは酒を片手にのろのろと歩きだす。
 
「こうなったらこの風生の特製料理を披露しちゃうのですよ!!」
 
そういって風生はイリスの石塔の欠片を砕き、その場から姿を消す。
 
「どんな勝負だろうと勝利とは私のためにある言葉なのよ!!」
 
レイフィムは湖の辺へと駆け出し、溺れそうになっているクロカゲの寝袋を
つかんで持ち上げた。
 
「レイフィム?今おじいちゃんとおばあちゃんが・・・」
 
「そんなことはいいの!いい?今からいう材料を集めてきてちょうだい!!」
 
そしてレイフィムはクロカゲに耳打ちした。
 
「はい?そんなもの、どうする・・」
 
「いいから早くいく!!」
 
「わ、わかったよ。」
 
(ふふふ・・・見てなさい!!)
 
レイフィムはその場で腕組みをしながら、不敵な笑みを浮かべていた。
 
------------------------------------------------------------------------
 
1時間後、どこからともなく材料を集めてきた各員は調理を開始した。
 
「まずはお砂糖と、調味料を入れて、弱火で・・・」
 
基本に忠実という感じで料理を進めていくエアリオ。
 
「んー・・・大体こんな感じかなぁ・・・」
 
まさにニュアンス、という言葉がしっくりくる感じで調理を進めていくヴァルアース。
 
「ここで風生ちゃん特製スパイスを投入です!!」
 
色々な意味で危険な香りがする調理の風生。
 
そして・・・
 
「ふふふ、どいつもこいつも甘いわね!!」
 
レイフィムは大きな鍋に材料を入れて煮込んでいく。
そして自身は両手を組み、仁王立ちの状態で不敵な笑みを浮かべていた。
 
------------------------------------------------------------------------
 
そして30分後・・・
 
『できたっ!!』
 
各員一斉に声をあげた。
調理終了である。
 
それぞれの前には調理済みの料理が並べられていた。
 
「さて、それじゃ順番に食べてもらう・・・といいたいところだけど、
まずは試食タイムよ!」
 
「と、いうと?」
 
「いきなり危ないもの食べさせるわけにもいかないでしょ。
それに少し間を作ったほうが盛り上がるじゃない!」
 
「ま、まあそれはそうかもしれないけれど・・・」
 
「まずは順番にクロカゲに食べてもらって、リアクションを見るのよ!!」
 
レイフィムはそういってクロカゲを指差した。
 
「僕なら何食べさせても大丈夫だっていうんだね・・・」
 
クロカゲはもはや観念したかのようにガックリとうな垂れる。
 
「じゃあまずは私の料理から。心を込めて作りました。」
 
エアリオが器をクロカゲの前に持ってくる。
 
「こ、これは・・・!!」
 
クロカゲは愕然とした。
まさにお手本どおりといった感じの純和風の料理の数々が目の前に並べられていた。
 
「この芳醇でかつ濃厚な味わい!それでいてしつこくなく、あっさりとした味は・・・!!
う、うま・・・!!」
 
パァン!!
 
レイフィムが突然どこからともなく取り出したハリセンで強くクロカゲを叩く。
 
「はい、某料理漫画みたいなコメントはカット!!次!!」
 
「うーん、とりあえず食べられるとは思う、けど。」
 
ヴァルアースが大きな器を持ってやってきた。
 
「これは・・・魚の酒蒸しかな?」
 
多少豪快な感じはするものの、見た目は綺麗に仕上がっていた。
 
「それじゃいただきま・・・う!!」
 
一口食べた直後、クロカゲはうずくまった。
 
「ぐ・・・ぐはぁぁ!!」
 
そしてクロカゲはみるみるうちに真っ赤な顔になり、口から火を噴出した。
そのまま周囲をかけずり回る。
 
「ヴァル、何いれたの・・・?」
 
レイフィムがおそるおそるヴァルアースに問いかける。
 
「うん?とりあえずこのお酒で蒸してみたんだけど・・・」
 
レイフィムはヴァルが持っているお酒のラベルを読んでみた。
 
「SPIRYTUS…なにこれ?」
 
「おかしいわねぇ。とってもおいしいお酒なのだけど。」
 
ヴァルアースは悪びれずそういった。
 
「まあ、とりあえず次よ!次!!」
 
「はーい、風生いきまーす。」
 
「ちょ・・・ちょっとだけ・・・休憩・・・させて・・・」
 
息絶え絶えなクロカゲのため、10分ほど休憩がとられた。
 
-------------------------------------------------------------------------
 
「こ・・・これを食べないといけないのか・・・?」
 
風生がもってきたのは、なんと表現すればよいのかわからない。
とにかく『黒い物体』である。
 
一緒に添えられたスープも黒く、ドロドロしている。
 
「どうぞいただいてください、なのですよ。」
 
風生はニコニコと期待の笑みを浮かべている。
 
(ああ、おじいちゃん、おばあちゃん、僕ももうすぐそっちに・・・)
 
「いいからとっとと食べなさい。」
 
後ろからレイフィムが羽交い絞めにしつつ、黒い物体をクロカゲの口に放りこんだ。
 
「ぐ・・・」
 
その直後、クロカゲがこの世のものとは思えない絶叫を残し、
白目をむいて倒れたため、休憩がとられた。
 
-------------------------------------------------------------------------
 
「まったくどいつもこいつも話にならないわね!!」
 
レイフィムは高笑いを浮かべつつ、自分の料理をクロカゲの元に持ってきた。
 
「君の料理が一番怖いよ・・・あれ?」
 
恐る恐る覗き込んだクロカゲは驚いた。
そこには肉餃子、鴨焼肉、味噌汁など、ジャンルはバラバラだったものの、
少なくとも見た目はしっかりと出来上がっていた。
 
(し・・・しかし、油断はできない・・・!)
 
おそるおそる口をつけたクロカゲ。
結果は・・・
 
「・・・うまい。」
 
「失礼ね。食べられないものを作るわけないでしょ。」
 
劇的にうまいというほどではなかったが、どれも標準的に食べられるもの
ばかりだった。
 
「意外だったよ、レイフィムって料理できるんだね。」
 
「当たり前じゃない。料理のできない女はいい男をモノにできないもの。」
 
「はは、なるほどねぇ。」
 
一通りの料理を味見した後、手元にあったジュースを飲み、クロカゲは一息ついた。
 
「ごちそうさまでした。それにしてもあの取ってきた材料でどうやって
こんなの作ったんだい?」
 
「ん?そんなの・・・」

レイフィムは少し溜めた後、こう言った。
 
「錬金術に決まってるじゃない。」
 
「れ・・・れんきんじゅつ・・・だって?」
 
その言葉を聞いたクロカゲに悪寒が走る。
 
「そ。だってこんなところでまともな材料なんてとれるわけないじゃない。」
 
「ちょ、ちょっとまってくれよ。僕がとってきたのは桜とゼリーのかけらだけだよ。
確かこれらの錬金術の材料って・・・」
 
レイフィムはそこまで聞いて、小悪魔のような笑みを浮かべた後、
クロカゲにそっと耳打ちした。
 
「ところでおいしかった?ラズベリージュースとパパイヤジュースのヨーグルト割り。」
 
その直後、クロカゲのお腹に激痛が走る。
 
「れ・・・レイフィム・・・君って奴は・・・」
 
クロカゲはそれを最後にその場に倒れ伏した。
 
「ちゃんとした食べ物なのに・・・やわなお腹してるわねぇ。」
 
そしてふとレイフィムは後ろを見てみた。
 
「はい、ゆきと君、どうぞ。」
 
「うん、ありがとう!エアc!!」
 
「うーん、やっぱりお酒を飲みながらなだめる桜は格別ね。」
 
「一体、私の料理のどこがいけなかったんでしょうか・・・」
 
するとそれぞれがそれぞれで、既にその場の雰囲気を楽しんでいた。
 
「ちょ・・・あなたたち、勝負は・・・」
 
レイフィムは大きく息を吸い、恫喝しようとしたが・・・直前でやめた。
 
(まあいいか。)
 
そして一面に咲く桜の木を見上げてみる。
 
(この桜の木に免じて、今回だけは許してあげるわ。
私だって、たまには普通にゆっくりしたいときもあるもの、ね。)
 
その場で泡を吹いて倒れるクロカゲを尻目に、ちゃっかりお花見を満喫した面々だった。
 
 


<あとがきがわりに>

はい、今回はギャグではありますが、ぶっちゃけクロカゲ君をいじり倒して終了です(ぁ

まあネタについてのツッコミは色々あると思いますが、あえてここでは触れずにおいときます。
ものすごーくゆっくりですが、ネタが思い浮かぶ&気が向いたらまた書きたいですね。

ちなみにジュースの材料についてはWikiなどで材料確認してみてください。
きっと意味をご理解いただけると思います(笑

それでは本日はこの辺で失礼~






PR
この記事にコメントする
               
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧
パスワード   
* パスワードを設定するとコメントの編集ができるようになります。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Copyright ©  -- Clair de Lune --  All Rights Reserved / Designed by CriCri / Material by White Board
忍者ブログ  /  [PR]